愛知県日進市にある「五色園」。その名の通り、色鮮やかな仏像が並ぶこの場所は、昼間はユニークな観光スポットとして親しまれています。しかし、そのおどろおどろしい仏像群の雰囲気から、夜になると「心霊スポット」として語られることも少なくありません。
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愛知県日進市にある「五色園」。その名の通り、色鮮やかな仏像が並ぶこの場所は、昼間はユニークな観光スポットとして親しまれています。しかし、そのおどろおどろしい仏像群の雰囲気から、夜になると「心霊スポット」として語られることも少なくありません。
この記事では、五色園の歴史と仏像の正体、そして心霊現象の噂の真相について、詳しく解説していきます。
五色園とは?
五色園は、親鸞聖人の生涯を描いた100体以上のコンクリート像が点在する、宗教テーマパークのような場所です。これらの像は、仏教伝道のため、明治時代から昭和時代にかけて活動したコンクリート像作家、浅野祥雲(あさの しょううん)によって作られました。
五色園という名前は、仏像の赤、青、黄、白、黒の五色からきていると言われています。これらの像は、親鸞聖人の誕生から波乱の生涯、そして入滅までの物語を順番に追っていくことができ、まるで絵巻物を見ているかのような体験ができます。
昼間は、そのユニークな仏像の姿を見に、多くの観光客が訪れます。しかし、夕暮れ時になると、仏像の表情が影に包まれ、その雰囲気は一変します。
五色園にまつわる心霊現象の噂
五色園が心霊スポットとして語られるようになったのは、その独特な仏像の雰囲気と、夜間の不気味さが理由です。
- 仏像が動く・表情が変わる噂:夜間、静まり返った園内で、仏像の表情が動いて見えたり、こちらをじっと見つめているように感じたりするという噂があります。これは、暗闇の中で影が仏像の表情を変えて見せる、一種の錯覚であると考えられています。
- 武士の霊の噂:五色園の敷地は、かつて織田信長と今川義元が戦った「桶狭間の戦い」の激戦地に近い場所であるため、戦死した武士の霊がさまよっているという噂もあります。仏像とは関係なく、この場所自体が持つ歴史的な背景が心霊現象の噂を生み出しているのです。
- 夜間の仏像の不気味さ:カラフルな仏像は、昼間はユニークで可愛らしい雰囲気ですが、夜になると、その鮮やかな色彩が不気味に感じられ、人々の恐怖心を煽ります。
これらの噂の真偽は定かではありませんが、仏像が持つ宗教的な雰囲気と、夜間の独特な環境が、人々の想像力を掻き立て、心霊スポットとしてのイメージを作り出しているのは確かです。
幽霊よりも注意すべき現実的なリスク
心霊現象の噂もさることながら、夜間の五色園には、より現実的な危険が潜んでいます。
- 私有地への立ち入り禁止:五色園は、宗教法人「浄土真宗親鸞会」が管理する私有地であり、閉園時間外の立ち入りは原則として禁止されています。
- 足場の悪さ:園内は起伏が激しく、夜間は視界が悪いため、足元が不安定で転落や怪我をする危険があります。
- 不審者との遭遇:夜間は人通りが少なくなるため、不審者や犯罪者と遭遇するリスクも否定できません。
心霊現象に興味があっても、閉園時間後の五色園への安易な立ち入りは、極めて危険な行為です。
結論:歴史と芸術を学び、安全に楽しむことが最も大切
五色園は、浅野祥雲という稀代の芸術家が残した、貴重なコンクリート像群が点在する場所です。心霊スポットとしての噂は、その独特な雰囲気や夜間の不気味さが生み出した都市伝説に過ぎません。
もし、この五色園に興味がある方は、昼間の開園時間中に訪れて、親鸞聖人の生涯をたどる仏像の物語をじっくりと鑑賞することをおすすめします。そして、仏像が持つ芸術的な価値や、その歴史的背景に思いを馳せることが、この場所を安全に満喫する上で最も大切なことではないでしょうか。
仏像を敬い、ルールを守って楽しむこと。それが、五色園への最大限の敬意と言えるでしょう。