【岐阜・解体済】城山荘…国宝犬山城を望む、一家惨殺の記憶が眠る呪いの館 木曽川のほとり、国宝・犬山城を望む絶景の地に、かつて東海地方最恐と謳われた巨大な料亭廃墟がありました。その名は「城山荘(じょうざんそう)」。
...
【岐阜・解体済】城山荘…国宝犬山城を望む、一家惨殺の記憶が眠る呪いの館
木曽川のほとり、国宝・犬山城を望む絶景の地に、かつて東海地方最恐と謳われた巨大な料亭廃墟がありました。その名は「城山荘(じょうざんそう)」。華やかな宴の記憶が眠るこの場所は、経営者の男が家族と従業員を惨殺し、自らも命を絶ったという血腥い伝説と共に朽ち果て、数多の心霊マニアを惹きつけてきました。今はもうその姿を消した館に、一体どのような怨念が渦巻いていたのでしょうか。
噂される怪奇現象と有名な体験談
廃墟であった当時、この場所では、その壮絶な伝説を裏付けるかのような、数々の心霊現象が報告されていました。
- 惨劇があったとされる大広間や客室で、複数の霊が姿を現す。
- 誰もいないはずの厨房から、食器が割れる音や、包丁を研ぐ音が聞こえる。
- 廊下を、血まみれの着物を着た女性の霊(女将とされる)が徘徊している。
- 「助けて…」という子供の泣き声や、「出ていけ」という低い男の怒鳴り声が響き渡る。
- 敷地内にある池を覗き込むと、水の中から無数の白い手が伸びてくる。
- 撮影した写真に、窓からこちらを覗く無数の顔や、おびただしい数のオーブが写り込む。
最も有名な伝説「血塗られた大宴会」
この廃墟を最恐たらしめていたのが、「経営者一家・従業員惨殺事件」の伝説です。その昔、この料亭の経営者が、多額の借金を苦に精神を病み、ある夜、自らの家族と、住み込みで働いていた従業員全員を、大広間で惨殺。そして、最後に自らも血の海の中で命を絶った、と噂されています。
それ以来、この館には、無念の死を遂げた十数名もの魂が縛り付けられていると言います。「深夜、固く閉ざされた大広間から、楽しげな宴会の声が聞こえてきた。しかし、よく聞くとそれは断末魔の叫びに変わった」「厨房の床に、今も血の跡が残っており、そこから黒い人影が浮かび上がってきた」など、あまりにも具体的で凄惨な目撃談が後を絶ちませんでした。
池に潜む“何か”
館の裏手にあったとされる、緑色に濁った池もまた、危険な場所として知られていました。この池は、惨殺された人々の亡骸の一部が遺棄された場所であると囁かれています。
「夜、池の水面を懐中電灯で照らすと、底の方から、こちらに向かって白い手が何本も伸びてきた」「池のほとりに立つと、耳元で『冷たい…』と囁かれ、水の中に引きずり込まれそうになった」などの体験談があり、この場所に渦巻く怨念の深さを物語っていました。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
城山荘の成り立ち
「城山荘」は、木曽川国定公園内の、国宝・犬山城を対岸に望む絶好のロケーションに建てられた、大規模な料亭(あるいは旅館)でした。四季折々の渓谷美と、城を眺めながら食事ができるという贅かくな作りから、昭和の時代には、多くの宴会客や観光客で賑わっていたと考えられます。
しかし、その後のバブル経済の崩壊や、建物の老朽化など、複数の要因が重なり、おそらく1980年代には営業を停止。その後、再利用されることもなく、所有者からも放置され、東海地方を代表する巨大で壮麗な廃墟として、その名を轟かせることになりました。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットになったきっかけは、廃墟化し、その特異な雰囲気が注目されるようになってからです。
「経営者による一家・従業員惨殺事件」という、この場所の恐怖の核心をなす物語ですが、これを裏付ける公的な事件記録や報道は確認されていません。
これは、国宝を望む一等地という「光」の場所と、打ち捨てられ朽ち果てていく「影」の場所という強烈なコントラストを持つ廃墟を前にした人々が、その場所にふさわしい最も悲劇的で壮絶な物語を創作し、結びつけた結果生まれた「都市伝説」である可能性が極めて高いのです。「美しい場所には悲劇が似合う」という、人々の無意識の願望が、この最恐の伝説を誕生させたのかもしれません。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
単なる料亭の廃墟が、なぜこれほどまでに人々を恐怖させたのでしょうか。それは、この場所が**「失われた華やかさ」と「景観の力」**を併せ持っていたからです。
- 歴史的要因: この場所の歴史は、**昭和の観光ブームが生み出した「夢の跡」**そのものです。かつては多くの人々の祝宴や笑顔で満たされていたであろう大広間が、今は静寂と荒廃に支配されている。この「失われた宴の記憶」との強烈なギャップが、訪れる者の心に深い哀愁と、そこにいないはずの人々の気配を感じさせるのです。
- 地理的・環境的要因: 眼下には木曽川の美しい流れ、そして対岸にはライトアップされた国宝・犬山城。この**日本有数の「絶景」**が、この廃墟の恐怖を際立たせていました。美しい夜景を背負って佇む、漆黒の巨大な廃墟。このあまりにもフォトジェニックで、ドラマチックな光景は、訪れる者を現実と非現実の境界が曖昧な、幻想的な恐怖の世界へと誘い込みます。
- 心理的要因: 「一家惨殺」という物語は、人間の共同体における最も悲惨な崩壊の形です。この先入観を持って訪れると、がらんとした大広間は「惨劇の舞台」に、厨房は「凶器が振るわれた場所」に、そして濁った池は「死体が遺棄された場所」にしか見えなくなります。美しい景観との対比が、その悲劇性をより一層際立たせ、訪れる者の心に、忘れがたい強烈な印象と恐怖を刻み付けるのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【最重要】建物は全て解体済み: 心霊スポットとしてあまりにも有名になった「城山荘」ですが、老朽化による倒壊の危険性や、不法侵入者の問題などから、2012年頃に完全に解体・撤去されました。現在は更地になっており、当時の面影は一切残っていません。
- 私有地・立入禁止: 跡地は現在も私有地であり、関係者以外の立ち入りは固く禁じられています。
- 周辺道路: 跡地周辺は、道幅の狭い坂道です。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に不法侵入しない: 建物はもう存在せず、跡地は管理された私有地です。興味本位で立ち入ることは、住居侵入罪(建造物等侵入罪)にあたる犯罪行為です。
- ネットの古い情報を鵜呑みにしない: 現在も廃墟が存在するかのような古い情報や動画を信じて、無駄足を踏まないようにしてください。
- 近隣への配慮: 付近には現在も営業している店舗や民家もあります。深夜にうろついたり、大声で話したりする行為は、多大な迷惑となります。
まとめ
犬山城を望む絶景の料亭廃墟「城山荘」。その恐怖の物語は、廃墟の解体と共に、物理的には終わりを告げました。しかし、あの場所で語られた血塗られた宴の伝説は、今もなお、木曽川の川面に映る城の姿と共に、人々の記憶の中で生き続けていくことでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 寒洞池(かんぼらいけ) 城山荘跡地のある各務原市内に存在する、もう一つの有名な心霊スポット。江戸時代から存在すると言われるこの古い溜池には、我が子を道連れに無理心中したという、母子の霊が現れると噂されています。水底から手招きし、池に引きずり込むと言われ、水にまつわる悲しい都市伝説が眠る場所です。
[詳細はこちら→]
あなたの体験談を教えてください(口コミ・レビュー)