【岐阜・解体済】高畑住宅…焼身自殺した母の怨念、昭和の団地に響いた“開けて” 岐阜県加茂郡富加町に、かつて昭和の家族の暮らしを象徴した、一つの町営住宅がありました。通称「高畑住宅」。しかし、そのありふれた団地の一室で、ある母親が幼い我が子を残して焼身自殺を遂げたという噂が広まって以来、
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【岐阜・解体済】高畑住宅…焼身自殺した母の怨念、昭和の団地に響いた“開けて”
岐阜県加茂郡富加町に、かつて昭和の家族の暮らしを象徴した、一つの町営住宅がありました。通称「高畑住宅」。しかし、そのありふれた団地の一室で、ある母親が幼い我が子を残して焼身自殺を遂げたという噂が広まって以来、この場所は、夜な夜な母の霊が彷徨い、窓という窓から無数の顔が覗く、東海地方屈指の心霊スポットとして知られていました。
噂される怪奇現象と有名な体験談
廃墟であった当時、この場所では、家族の温かい記憶が悪夢に変わったかのような、数々の心霊現象が報告されていました。
- 火災があったとされる4階の部屋の窓に、黒焦げの女性の霊が姿を現す。
- 誰もいないはずの部屋から、「開けて…開けて…」とドアを叩く音と、女性のすすり泣く声が聞こえる。
- 団地の窓という窓に、こちらを無表情で見つめる無数の顔が浮かび上がる。
- 敷地内にある公園のブランコが、誰もいないのにゆっくりと揺れ続けている。
- 敷地内に足を踏み入れると、急激な頭痛や吐き気、そして強い視線を感じる。
- 撮影した写真に、焼け跡の部屋に立つ人影や、おびただしい数のオーブが写り込む。
最も有名な伝説「炎に消えた母の怨念」
この廃墟団地を象徴するのが、「4階の一室で起きた焼身自殺」の伝説です。その昔、この団地の4階に住んでいたある若い母親が、家庭問題に悩み、我が子を部屋に残したまま、自らの体に火を放って焼身自殺を遂げた、と言われています。
それ以来、火災で黒焦げになったその部屋には、母親の霊が夜な夜な現れるようになったと噂されていました。「深夜、焼け落ちた部屋の窓を外から見上げると、黒い人影が立っており、こちらに手招きしていた」「固く閉ざされた部屋のドアの向こう側から、女性がドアを激しく叩きながら『お願い、開けて!あの子が中に…』と叫ぶ声が聞こえた」など、我が子を想う母親の、あまりにも悲しい怨念を物語る恐怖体験が数多く報告されていました。
窓から覗く無数の“住民”
この団地のもう一つの恐怖が、「無数の窓から覗く霊」の現象です。廃墟となり、全ての住人が去ったはずのこの団地。しかし、夜になると、その全ての部屋の窓に、かつての住民たちの霊が姿を現し、暗闇の中から侵入者をじっと監視しているのだと言います。
「懐中電灯で何気なく校舎を照らした瞬間、全ての窓に、一斉に青白い顔が浮かび上がり、こちらを見ていた」「一つの窓を凝視していると、中の人影が、すっとカーテンを引いて隠れた」といった、まるで団地そのものが生きているかのような、大規模で不可解な怪奇現象が語り継がれていました。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
高畑住宅の成り立ち
「高畑住宅」は、岐阜県加茂郡富加町に存在した、町営の集合住宅です。高度経済成長期の昭和40年代(1965年~)頃に、地域の人口増加に対応するために建設された、いわゆる「団地」でした。最盛期には、多くの家族がこの場所で暮らし、子供たちの笑い声が響く、活気に満ちた場所でした。
しかし、建物の老朽化や住民の高齢化、転出などが進み、徐々に空き家が目立つようになります。そして、全ての住民が退去した後、解体されることもなく、10年以上にわたって巨大な廃墟群として放置されることになりました。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットになったきっかけは、廃墟化し、その荒廃した姿が人々の目に留まるようになってからです。
「母親が焼身自殺した」という、この場所の恐怖の核心をなす物語ですが、これを裏付ける公的な事件・事故記録や報道は確認されていません。
しかし、実際にこの団地で火災があったことは事実のようです。この「火災があった」という事実に、廃墟という不気味な舞台装置、そして「団地」という場所が持つ“家族の物語”のイメージが結びつき、「家庭に悩んだ母親の焼身自殺」という、最も悲劇的でドラマチックな都市伝説として定着していったものと考えられます。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
ありふれた町営住宅の廃墟が、なぜこれほどまでに人々を恐怖させたのでしょうか。それは、この場所が**「失われた日常」の象徴**であったからです。
- 歴史的要因: この場所の歴史は、昭和の高度経済成長期が生み出した「団地」という文化そのものの栄枯盛衰を物語っています。かつては“夢のマイホーム”であり、多くの家族の笑顔で溢れていたはずの場所が、今は見るも無残に朽ち果てている。この「失われた温かい記憶」との強烈なギャップが、訪れる者の心に深い哀愁と、霊的な気配を感じさせるのです。
- 地理的・環境的要因: (廃墟であった当時)丘の上に建ち、周囲から孤立したように存在する、無機質なコンクリートの建物群。夜になれば、無数の黒い窓が、まるで墓標のように並びます。この**「無数の目に見られている」**かのような視覚的圧迫感は、他の廃墟にはない、団地廃墟特有の恐怖です。特に、一室だけが黒く焼け焦げているという光景は、惨劇の記憶を視覚的に訴えかけ、強烈なインパクトを与えていました。
- 心理的要因: 「団地」は、我々にとって最も身近な生活空間の一つです。その日常空間が廃墟と化し、「焼身自殺」という非日常的な悲劇の舞台となる物語は、**「自分の日常も、いつかこうなるかもしれない」**という、潜在的な不安を掻き立てます。窓から覗くという霊の噂もまた、「プライベートな空間を覗かれる」という根源的な恐怖と結びつき、訪れる者に強い心理的ストレスを与えるのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【最重要】建物は全て解体済み: 心霊スポットとしてあまりにも有名になった「高畑住宅」ですが、2021年頃に全ての建物が解体・撤去されました。現在は更地になっており、当時の面影は一切残っていません。
- 私有地・立入禁止: 跡地は現在も町有地か、あるいは別の所有者の私有地であり、関係者以外の立ち入りは固く禁じられています。
- 周辺は住宅地: 跡地の周辺には、現在も人々が生活する住宅地が広がっています。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に不法侵入しない: 建物はもう存在せず、跡地は管理された土地です。興味本位で立ち入ることは、住居侵入罪(建造物等侵入罪)にあたる犯罪行為です。
- ネットの古い情報を鵜呑みにしない: 現在も廃墟が存在するかのような古い情報や動画を信じて、無駄足を踏まないようにしてください。
- 近隣住民への配慮を徹底する: 深夜に跡地周辺をうろついたり、大声で話したりする行為は、近隣住民の方々にとって多大な迷惑であり、恐怖です。不審者として通報される可能性が非常に高いです。
まとめ
高畑住宅の恐怖の物語は、昭和という時代の光と影が生み出した、哀しき都市伝説でした。建物が解体された今、そこに囚われていたとされる母親の魂は、ようやく我が子の元へと帰ることができたのでしょうか。その答えを知る者は、もう誰もいません。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 銃殺の家(じゅうさつのいえ)跡地 高畑住宅跡地のある加茂郡のお隣、御嵩町にかつて存在した最恐クラスの廃墟。主人が猟銃で一家を惨殺したという、実際の事件に基づくとされる生々しい噂が囁かれていました。建物は2013年頃に解体されましたが、土地に染み付いた怨念は今も消えていないと言われています。
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