北海道夕張市、シューパロ湖の静かな湖面の底深くに、かつて炭鉱で栄えた一つの町が眠っています。「鹿島の森」とも呼ばれた旧北炭鹿島地区には、町のシンボルであった「旧北炭鹿島発電所」の廃墟が残されていました。ダムに沈んだ町の記憶と、そこで生きた人々の思いが、
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北海道夕張市、シューパロ湖の静かな湖面の底深くに、かつて炭鉱で栄えた一つの町が眠っています。「鹿島の森」とも呼ばれた旧北炭鹿島地区には、町のシンボルであった「旧北炭鹿島発電所」の廃墟が残されていました。ダムに沈んだ町の記憶と、そこで生きた人々の思いが、今も訪れる者に数々の怪奇現象を見せると噂されています。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- ダム湖の周辺で、かつての住民と思われる霊の集団が目撃される。
- 何もない湖面や森の中から、子供たちの笑い声や学校のチャイムの音が聞こえる。
- 廃墟となった発電所や学校の窓に、無数の人影が映る。
- 水位が下がって姿を現した遺構に近づくと、強い耳鳴りや頭痛に襲われる。
- 付近で写真を撮ると、おびただしい数のオーブや、霧の中に浮かぶ人の顔が写り込む。
- 深夜、湖畔の道路を走っていると、ヘッドライトに照らされた人影が横切り、忽然と消える。
ダムの底から聞こえる町の音
この場所で最も多く語られるのが、今はもう存在しないはずの「町の音」にまつわる怪談です。静かな湖畔にいると、どこからともなく大勢の子供たちが遊ぶ声や笑い声、そして学校のチャイムの音が聞こえてくるというものです。これは、ダムの底に沈んだ鹿島小学校に通っていた子供たちの霊が、今も元気に学校生活を送っているのではないかと囁かれています。
窓に映る無数の人影
水位が下がり、発電所やアパートの廃墟が姿を現していた頃には、その窓に関する目撃談が多発していました。特に夕暮れ時、廃墟の窓を見つめていると、明かりが灯っていないはずの部屋に人の影がいくつも動き、こちらをじっと見つめているのが見えたと言われています。それは、故郷を奪われた住民たちの魂が、今も自分たちの家から外を眺めている姿だと噂されています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
旧北炭鹿島発電所の成り立ち
旧北炭鹿島発電所は、北海道炭礦汽船(北炭)が運営していた鹿島炭鉱に電力を供給するための施設として、1930年代に建設されたと考えられています。鹿島地区は、炭鉱の発展とともに人口が増加し、最盛期には小中学校、病院、店舗などが立ち並ぶ一つの大きな町を形成していました。しかし、エネルギー革命により炭鉱は1970年代に閉山。人々は町を去り、鹿島地区はゴーストタウンと化しました。
心霊スポットになった“きっかけ”
鹿島地区が心霊スポットとして決定的な存在になったのは、夕張シューパロダムの建設です。1962年に完成した大夕張ダムの水位をさらに引き上げる新しいシューパロダムの建設計画により、廃墟となっていた鹿島地区の大部分が2014年に完全に水没することが決定しました。故郷がダムの底に沈むという事実が、この土地に「水底に消えた町」という、もの悲しくミステリアスなイメージを付与しました。閉山やダム建設で故郷を追われた人々の無念の思いが、数々の心霊現象を引き起こしているのではないか、という噂が広まり、全国的にも有名な心霊スポットとなったのです。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
- 歴史的要因: 「ダムの底に沈んだ町」という、極めて強い喪失感と悲劇性がこの場所の恐怖の根源です。炭鉱の閉山で一度故郷を失い、ダムの建設でその痕跡すらも水底に消えたという二重の悲しみが、住民の霊が彷徨うという噂に強烈なリアリティを与えています。
- 地理的・環境的要因: 広大なダム湖と、周囲を囲む深い森という隔絶された環境が、非日常的な感覚と孤独感を増幅させます。静かな湖畔では、風の音や動物の鳴き声が、人の声や物音のように聞こえやすく、心理的な恐怖を掻き立てます。
- 心理的要因: 訪問者は「町が丸ごと水没した場所」という強力な先入観を持っています。湖面に立つさざ波や、霧、木々の影など、自然が生み出す些細な変化を、水底の住民たちの霊的なサインとして結びつけてしまいやすいのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 旧北炭鹿島発電所や学校、住宅といった主要な建造物は、2014年の試験湛水により、現在シューパロ湖の底に完全に水没しています。物理的に見ることも、近づくこともできません。
- 道の状態: ダム湖畔へ続く道はありますが、一部は関係者以外立入禁止になっている場合があります。また、冬期は深い雪に閉ざされます。
- 危険箇所: 湖畔は柵などがない場所も多く、転落の危険があります。また、ヒグマの生息地であり、遭遇のリスクが非常に高いエリアです。
- その他: 携帯電話の電波はほとんど通じません。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 慰霊の気持ちを忘れない: この場所は、多くの人々が暮らし、愛した故郷が眠る場所です。肝試し気分で騒ぐのではなく、故郷を失った人々への敬意と、亡くなった方々への慰霊の念を持って静かに訪れるべきです。
- ヒグマ対策は必須: この地域を訪れる際は、熊鈴の携帯や複数人での行動など、ヒグマ対策が絶対条件です。
- 立ち入り禁止区域には入らない: ダムの管理施設や、立入禁止の看板がある場所には絶対に入らないでください。
まとめ
「鹿島の森」と呼ばれた旧北炭鹿島地区と発電所は、日本のエネルギー政策の変遷の中でダムの底へと消えていきました。現在その姿を見ることは叶いませんが、水底に眠る町の記憶と、そこで生きた人々の思いが、このシューパロ湖を日本でも有数のミステリアスな場所たらしめています。もし訪れるのであれば、その歴史に思いを馳せ、静かに湖面を眺めるに留めるべきでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 旧住友奔別炭鉱: 鹿島から車で約1時間ほどの三笠市にある、巨大な立坑櫓が残る炭鉱廃墟。こちらも過酷な労働で亡くなった坑夫の霊が噂される、北海道を代表する心霊スポットです。
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