かつて石炭の都として栄えた北海道三笠市。その郊外に、天を突くかのようにそびえ立つ巨大な選炭工場と立坑櫓の廃墟が「旧住友奔別炭鉱」です。日本のエネルギー史を支えたこの場所は、過酷な労働で命を落とした多くの坑夫たちの魂が眠ると言われ、その圧倒的なスケールと相まって、
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かつて石炭の都として栄えた北海道三笠市。その郊外に、天を突くかのようにそびえ立つ巨大な選炭工場と立坑櫓の廃墟が「旧住友奔別炭鉱」です。日本のエネルギー史を支えたこの場所は、過酷な労働で命を落とした多くの坑夫たちの魂が眠ると言われ、その圧倒的なスケールと相まって、訪れる者に畏怖の念を抱かせる北海道屈指の心霊スポットとして知られています。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- 廃墟となった施設内から、ツルハシの音や作業員たちの声が聞こえる。
- 誰もいないはずの立坑櫓の上から、こちらを見下ろす人影が目撃される。
- 施設内で写真を撮ると、無数のオーブや、作業着姿の男性の霊が写り込む。
- 深夜、ヘッドライトを点灯したままのトラックが敷地内を走り回り、忽然と消える。
- 敷地に足を踏み入れると、急な頭痛や息苦しさ、誰かに見られているような感覚に襲われる。
今も響く、坑内からの槌音
この廃墟で最も多く語られるのが、音にまつわる怪奇現象です。風のない静かな夜、巨大な選炭工場跡に耳を澄ますと、壁の向こう側から「カン、カン…」という、かつての坑夫たちがツルハシで石炭を掘る音が聞こえてくると言われています。また、それに混じって、作業員たちの威勢の良い掛け声や、機械の駆動音が聞こえたという体験談も数多く報告されており、時が止まったかのように、今も労働が続けられているかのようです。
立坑櫓を彷徨う監視員の霊
奔別炭鉱のシンボルである巨大な立坑櫓。その最上部にある監視室のような場所の窓に、人影が立つのが目撃されるという噂です。その影は、じっと地上の様子を監視しているかのようであり、懐中電灯の光を当てるとスッと消えてしまうと言われています。かつてここで働いていた監視員の霊なのか、あるいは事故で亡くなった作業員の霊が仲間を探している姿なのか、その正体は謎に包まれています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
旧住友奔別炭鉱の成り立ち
住友奔別炭鉱は、1920年(大正9年)に本格的な採掘が開始された、北海道でも有数の規模を誇る炭鉱でした。特に、1960年(昭和35年)に完成した高さ約50mの巨大な選炭工場と、隣接する立坑櫓は、当時の最新技術を結集したものであり、石炭産業の最盛期を象徴する建造物でした。最盛期には多くの労働者がこの地で働き、周辺には炭鉱住宅が立ち並ぶ一つの町が形成されていました。
心霊スポットになった“きっかけ”
日本のエネルギーが石炭から石油へと移行する「エネルギー革命」の波を受け、奔別炭鉱は経営が悪化。度重なるガス突出事故なども発生し、1971年(昭和46年)に閉山を迎えました。閉山後、多くの施設は解体されましたが、その象徴であった巨大な選炭工場と立坑櫓は解体を免れ、巨大な廃墟として残されることになりました。心霊スポットとして噂されるようになったのは、炭鉱という場所が常に死と隣り合わせの過酷な労働環境であったことが大きな要因です。落盤やガス爆発といった事故で亡くなった坑夫たちの無念の魂が、閉山後もこの地に留まっていると信じられるようになりました。巨大な廃墟が放つ圧倒的な威圧感と、炭鉱の持つ暗い歴史のイメージが結びつき、心霊スポットとしての評判を確固たるものにしたのです。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
- 歴史的要因: 「炭鉱」という場所は、日本の近代化を支えた栄光の歴史と同時に、常に危険と隣り合わせの過酷な労働、そして数々の労働災害という暗い歴史を持っています。ここで亡くなったであろう無数の坑夫たちの魂に思いを馳せることが、この場所の霊的な雰囲気を感じさせる最大の要因です。
- 地理的・環境的要因: 周囲を山に囲まれ、他に大きな建物がないため、巨大なコンクリートの建造物が異様な存在感を放っています。風が建物に吹き付けて出す音や、内部で鳥が立てる物音などが、不気味な音として聞こえやすい環境です。
- 心理的要因: 訪問者は「炭鉱の廃墟=心霊スポット」という強烈な先入観を持っています。巨大な建物の威圧感と、暗く静まり返った内部の雰囲気は、恐怖心を極限まで増幅させ、些細な物音や影を心霊現象として誤認させる可能性が非常に高いと考えられます。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 敷地全体がフェンスで囲われ、「立入禁止」「危険」などの警告看板が多数設置されています。敷地内は三笠市の管理地および私有地であり、無断での立ち入りは固く禁じられています。
- 道の状態: 敷地周辺の道路は通行可能ですが、駐車スペースは限られています。
- 危険箇所: 建物は閉山から半世紀以上が経過し、極度の老朽化により崩落が進行しています。内部は床が抜け落ち、鉄筋が剥き出しになるなど、極めて危険な状態です。アスベスト使用の可能性も非常に高いです。
- 監視体制: 所有者や地元警察による巡回が行われています。不法侵入で検挙された事例もあります。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に侵入しない: 繰り返しになりますが、敷地内への立ち入りは不法侵入という犯罪行為です。また、建物の崩落リスクが非常に高く、命に関わる重大な事故につながる可能性があります。
- 近隣住民への配慮: 付近には民家や農地があります。深夜に騒音を立てたり、迷惑駐車をしたりする行為は絶対にやめてください。
- 歴史遺産への敬意: この場所は、日本の近代化を支えた重要な産業遺産でもあります。破壊行為や落書きなどは言語道断です。
まとめ
旧住友奔別炭鉱は、日本の石炭産業の栄枯盛衰を物語る巨大なモニュメントであり、その圧倒的な存在感から心霊スポットとしても語られています。しかし、現在は法的に立ち入りが禁じられ、物理的にも極めて危険な廃墟となっています。その歴史的価値と、そこで生きた人々の記憶に敬意を払い、フェンスの外から静かにその姿を眺めるに留めるべきでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 旧北炭鹿島発電所: 奔別炭鉱から車で約1時間ほどの夕張市にある、巨大な廃墟。炭鉱に電力を供給していた施設で、その異様な雰囲気から「鹿島の森」と呼ばれ、心霊の噂が絶えません。
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