【兵庫・怨念の壁】多々良木トンネル…壁に浮かぶ無数の顔と、闇を彷徨う老婆の霊 兵庫県朝来市の山深く、巨大な多々良木ダムの傍らに、まるで忘れ去られたかのように古びたトンネルが口を開けています。「多々良木トンネル」。
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【兵庫・怨念の壁】多々良木トンネル…壁に浮かぶ無数の顔と、闇を彷徨う老婆の霊
兵庫県朝来市の山深く、巨大な多々良木ダムの傍らに、まるで忘れ去られたかのように古びたトンネルが口を開けています。「多々良木トンネル」。この短い隧道は、その湿った壁一面に、苦悶の表情を浮かべた“無数の顔”が浮かび上がる、日本でも類を見ないほど不気味な心霊スポットとして知られています。もし、トンネルの暗闇から老婆の呻き声が聞こえたなら、それは壁の霊魂に、新たな仲間として迎え入れられる合図かもしれません。
噂される怪奇現象と有名な体験談
古く、狭く、暗いこのトンネルでは、訪れる者の正気を奪うかのような、数々の怪奇現象が報告されています。
- トンネルの湿った壁に、苦悶の表情を浮かべた無数の人の顔が浮かび上がって見える。
- 腰の曲がった老婆の霊が、トンネルの中をゆっくりと歩いている、あるいはヒッチハイクをしている。
- 車でトンネルを通過すると、後部座席に老婆の霊が乗り込んでいる。
- 「助けて…」という呻き声や、複数の男女の話し声がトンネル内に反響する。
- トンネルの真ん中で、原因不明のエンジンストールに見舞われる。
- 撮影した写真に、壁の顔とは別に、はっきりとした人影や無数のオーブが写り込む。
最も有名な伝説「壁に浮かぶ、無数の苦悶の顔」
このトンネルを最恐たらしめているのが、その壁にまつわる怪談です。トンネル内部のコンクリートの壁は、長年の湿気によって黒く変色し、無数のシミや模様が浮かんでいます。そのシミが、見る角度や光の加減によって、まるで苦しみにもだえる人間の顔のように見える、というのです。
「懐中電灯で壁を照らしながら進んでいると、シミだと思っていた模様が、一斉にこちらを向いて目を開いた」「壁の顔の一つが、にやりと笑いかけてきた」など、訪れた者の正気を失わせるような、強烈な恐怖体験が数多く報告されています。これらは、トンネル建設の犠牲者や、近隣のダム工事で亡くなった者たちの顔であると噂されています。
闇を彷徨う老婆の霊
無数の顔と並んで有名なのが、「老婆の霊」の目撃談です。これは、かつてトンネル付近で交通事故に遭って亡くなったお婆さんの霊であると言われています。
「トンネルの中を車で進んでいると、前方に腰の曲がった老婆が歩いているのが見えた。慌ててブレーキを踏んだが、老婆は車体をすり抜けるようにして消えてしまった」「トンネルを抜けた後、バックミラーを見たら、後部座席にいるはずのない老婆が座り、こちらをじっと見ていた」といった体験談が後を絶ちません。彼女は、今も自分を轢いた車を探して、この暗いトンネルを永遠に彷徨い続けているのです。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
多々良木トンネルの成り立ち
「多々良木トンネル」は、兵庫県朝来市の多々良木地区に存在する、古いコンクリート造りのトンネルです。正確な竣工年は不明ですが、昭和の中頃に、地域の生活道路として建設されたものと考えられます。
すぐ隣には、日本最大級の揚水式水力発電所である「奥多々良木発電所」と、その下部ダムである「多々良木ダム」が聳え立っており、古いトンネルと近代的な巨大建造物の異様なコントラストが、この地の不気味な雰囲気を際立たせています。新しい道路が整備されたことにより、このトンネルは主要な交通路としての役目を終え、半ば打ち捨てられたような状態で現存しています。
心霊スポットになった“きっかけ”
このありふれた古いトンネルが心霊スポットとして有名になったのは、その特異な視覚的恐怖と、周辺環境が大きく影響しています。
まず、壁に浮かび上がる「無数の顔」。これは、コンクリートの劣化や染み出した水滴、カビなどが作り出した偶然の産物でしょう。しかし、このあまりにも不気味な光景が、「ここは呪われている」「多くの霊が壁に囚われている」という物語を生み出す、最大のきっかけとなりました。
さらに、隣接する多々良木ダムの建設工事では、多くの困難が伴ったと言われています。「ダム工事には犠牲がつきものだ」という一般的なイメージから、「ダムで死んだ者の霊が、近くの古いトンネルに集まってくる」という噂が広まりました。「事故死した老婆の霊」の噂も、見通しの悪い暗いトンネルという環境から、後付けで生まれた都市伝説である可能性が高いと考えられます。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
単なる古いトンネルが、なぜこれほどまでに具体的な恐怖のイメージを持つに至ったのでしょうか。その背景には、人間の脳が生み出す錯覚と、周辺環境が織りなす必然性があります。
- 歴史的要因: このトンネル自体に大きな歴史はありませんが、隣接する**「多々良木ダム」という巨大プロジェクトの記憶**が、この土地に「近代化の影に隠れた犠牲」という物語を付与しています。ダム工事で亡くなったとされる、名もなき労働者たちの魂の受け皿として、この古く打ち捨てられたトンネルが選ばれたのではないでしょうか。
- 地理的・環境的要因: 古く、狭く、照明もなく、常に湿っている。心霊スポットとされるトンネルの条件を完璧に満たしています。そして何より、**壁の染みが「顔に見える」**という、強烈な視覚的特徴を持っています。これは、ランダムな模様の中に意味のある形を見出してしまう、人間の脳の働き「パレイドリア現象」の典型例です。この現象が、この場所を唯一無二の心霊スポットたらしめている最大の要因です。
- 心理的要因: 「壁に顔が浮かぶ」という情報を知って訪れると、人の脳は無意識のうちに壁の中から「顔」を探し始めます。 そして、一度顔に見えてしまうと、それはもうただのシミには戻れません。この「答え合わせ」のような行為が、恐怖を自己完結的に証明し、増幅させます。「老婆の霊」という具体的な物語もまた、暗闇の中の些細な物音や人影を、霊的なものとして誤認させる強力な触媒となっているのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 通行は困難・非推奨: トンネルは現在も残っていますが、主要な道路から外れた旧道にあり、入口がゲートやブロックで部分的に封鎖され、車両での通行は困難または不可能になっている場合があります。
- 内部は極めて危険: トンネル内に照明は一切なく、完全な暗闇です。路面は水浸しで、壁や天井からコンクリート片が剥落する危険性も高く、非常に危険です。
- 道の状態が悪い: トンネルに至る道も管理されておらず、荒れ放題になっている可能性があります。脱輪やパンクのリスクがあります。
- 野生動物: 周辺は山林であるため、シカやイノシシ、熊などの危険な野生動物と遭遇する可能性があります。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 安易に内部へ立ち入らない: 崩落の危険性が常にある、管理されていない建造物です。興味本位で奥まで進むことは、命に関わる危険な行為です。
- 複数人での訪問: 万が一の事態に備え、単独での訪問は絶対に避け、複数人で行動してください。
- 故人への敬意: この場所で亡くなったとされる方々の噂があります。不謹慎な言動や挑発行為は厳に慎んでください。
- ダム施設への迷惑行為は厳禁: 周辺の多々良木ダムは現在も稼働する重要な施設です。ダムの敷地内に無断で立ち入ったり、迷惑をかけたりする行為は絶対にやめてください。
まとめ
多々良木トンネルの壁に浮かぶ顔は、コンクリートが流す涙か、それとも本当に囚われた魂の叫びなのでしょうか。その答えは、自らの目で確かめるしかありませんが、その先に待つのが、ただのシミである保証はどこにもないのです。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 朝日牧場(あさひぼくじょう)跡地 同じ朝来市の山中に、かつて関西最恐と謳われた巨大なレジャー施設の廃墟がありました。経営難に陥ったオーナーが一家を惨殺し、自らも命を絶ったというおぞましい噂が囁かれていました。建物は2023年までに全て解体されましたが、土地に染み付いた怨念は今も消えていないと言われています。
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