【石川・禁断の廃隧道】旧無患子トンネル…封鎖された闇の奥から響く、謎の叫び声 石川県能美市の山中に、その名が示す通り「子の患い無き」ことを願うはずの土地に、まるでその願いを嘲笑うかのように、恐ろしい噂に包まれた廃隧道が存在します。「旧無患子(むくろじ)トンネル」。
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【石川・禁断の廃隧道】旧無患子トンネル…封鎖された闇の奥から響く、謎の叫び声
石川県能美市の山中に、その名が示す通り「子の患い無き」ことを願うはずの土地に、まるでその願いを嘲笑うかのように、恐ろしい噂に包まれた廃隧道が存在します。「旧無患子(むくろじ)トンネル」。南の入口は固く封鎖され、北の入口だけが不気味に開かれているというこの場所は、一度足を踏み入れると、二度と帰れないと噂される、石川県屈指の心霊スポットです。
噂される怪奇現象と有名な体験談
廃道となり、今はもう使われることのないこのトンネルでは、その暗闇に囚われた魂たちの仕業とされる、数々の心霊現象が報告されています。
- トンネルの奥の暗闇から、正体不明の叫び声や、「おい!」という男性の怒鳴り声が聞こえる。
- 誰もいないはずなのに、複数の人間が歩く足音や、低い笑い声が反響する。
- トンネルの入口や内部で、老婆や男性、動物の霊が目撃される。
- トンネルの中で写真を撮ると、顔の部分だけが黒く塗りつぶされたり、心霊写真になったりする。
- 敷地内に足を踏み入れると、急激な頭痛や吐き気、金縛りにあう。
- 録音した音声に、悲鳴や、助けを求めるような謎の声が入っている。
最も有名な伝説「闇の中から聞こえる“声”」
この廃隧道を象徴するのが、その暗闇の奥から聞こえてくるという、正体不明の「声」です。それは時に苦悶に満ちた叫び声であり、時に嘲笑うかのような低い笑い声であり、またある時は、侵入者を威嚇するような鋭い怒声であると言います。
「トンネルの半分ほどまで進んだ時、奥の暗闇から、何人もの男たちが同時に『うおおお!』と叫ぶような声が響き渡り、パニックになって逃げ出した」「入口の鳥居をくぐった瞬間、耳元で『帰れ』と、はっきりした男の声が聞こえた」など、この場所に棲む“何か”が、訪れる者を激しく拒絶していることを感じさせる、数々の恐怖体験が報告されています。
“顔が写らない”呪い
この場所のもう一つの奇妙な怪異が、「顔が写らない」という現象です。このトンネルの内部や、周辺で人物の写真を撮影すると、なぜか顔の部分だけが、黒い影で塗りつぶされたようになったり、激しいノイズで判別できなくなったりするというのです。
「仲間と記念撮影をしたら、自分の顔だけが、まるで黒いペンで塗りつぶされたかのように写っていた」「ビデオを撮影していたが、再生すると、人間の顔が映る部分だけ、ぐにゃりと歪んでいた」といった、不可解な体験談が絶えません。これは、この場所に渦巻く強力な霊障が、人間の“個”を認識することを拒んでいるためではないか、と囁かれています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
旧無患子トンネルの成り立ち
「旧無患子トンネル」、正式名称を「無患子隧道(ずいどう)」と言います。このトンネルは、昭和8年(1933年)に、現在の県道55号線・小松辰口線のトンネルとして開通しました。その名の由来となった「ムクロジ(無患子)」という木は、「子が患わ無い」と書くことから、古くから厄除けや無病息災の縁起物として知られています。
しかし、その後の交通量の増加に対応するため、平成11年(1999年)に、すぐ隣に新しく安全な「新無患子トンネル」が開通。これにより、旧トンネルは主要道としての役目を終え、やがて南側の坑口が固く封鎖され、廃隧道と化していったのです。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとなった背景には、「縁起の良い名前」と「廃墟という現実」との、あまりにも大きなギャップがあります。
このトンネルで、噂の元となるような、特定の殺人事件や、悲惨な集団自殺があったという公的な記録はありません。
しかし、「子が患わ無い」という、人々の幸せを願う名前を持つ場所が、今は使われずに打ち捨てられ、不気味な廃墟と化している。この皮肉な状況が、人々の想像力を掻き立て、「名前とは裏腹に、ここは呪われているのではないか」という、心霊譚を生み出す土壌となったのです。
さらに、トンネル周辺に点在する無数の小さな鳥居の存在が、その神秘性と恐怖を増幅させています。これらは本来、厄除けや祈願のために建てられたものですが、廃墟という文脈の中では、まるで**「強力な“何か”を封じ込めるための結界」**のようにも見え、訪れる者に、ここが特別な場所であることを強く意識させるのです。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
単なる古い廃隧道が、なぜこれほどまでに人々を恐怖させるのでしょうか。それは、この場所が**「祝福」と「呪い」という、相反する概念**を、同時に我々に突きつけてくるからです。
- 歴史的要因/民俗学的要因: この場所の恐怖は、「無患子」という、縁起の良い植物の名前と、「鳥居」という神聖なシンボルが、恐怖の文脈で語られている点にあります。本来であれば、人々を守り、幸せにするはずのものが、ここでは霊を呼び寄せ、祟りをなすかもしれない。この**「聖なるものの反転」**という構図が、訪れる者の信仰心や常識を揺さぶり、根源的な恐怖を感じさせるのです。
- 地理的・環境的要因: 山中に打ち捨てられ、木々に覆われた旧道。そして、その先にあるのは、南口は固く封鎖され、北口だけが暗い口を開けているという、非対称で不気味な構造。この「通り抜けられないトンネル」は、訪れる者に強い圧迫感と、「一度入ったら、二度と出られないのではないか」という閉塞感を与えます。
- 心理的要因: 「顔が写らない」という、極めてパーソナルで、自己の存在を脅かすかのような怪異。そして「おい!」と呼びかけられるという、直接的なコミュニケーションを思わせる現象。これらの噂は、訪れる者に、自分が単なる傍観者ではなく、**“霊たちの標的”**になっているかのような、強烈な当事者意識を植え付けます。その心理状態が、ありふれた自然現象さえも、すべてが自分に向けられた霊の干渉であると、過敏に感じさせてしまうのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【最重要】廃道トンネル・一部封鎖: 旧無患子トンネルは廃道であり、南側の入口は頑丈な鉄格子で完全に封鎖されています。 北側は一部侵入可能とされていますが、内部の状況は不明です。
- 不法侵入は厳禁: 鉄格子を乗り越える行為はもちろん、たとえ開いている入口からであっても、管理されていない廃隧道に無断で立ち入ることは、不法侵入にあたる可能性があります。
- 内部は崩落・落石の危険: 長年放置されているため、内部はいつ崩落や落石が起きてもおかしくない、極めて危険な状態です。
- 野生動物: 周辺は山林であり、熊よけの檻が設置されているとの情報もあります。熊やイノシシ、マムシなどの危険な野生動物と遭遇する可能性があります。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に内部に侵入しない: 鉄格子の前で、その場の空気を感じるに留めてください。内部への侵入は、命に関わる危険な行為です。
- 鳥居や地蔵への敬意: 周辺にある鳥居やお地蔵様は、地域の信仰の対象です。決して不敬な行為はしないでください。
- 夜間の訪問は避ける: 夜間は完全な暗闇と化し、物理的な危険性が格段に高まります。
- 単独行動は避ける: 万が一の事故に備え、単独での訪問は絶対に避け、複数人で行動してください。
まとめ
旧無患子トンネルは、「子の無事を祈る」という優しい名前の裏に、訪れる者を拒絶する、荒々しい魂が眠る場所です。その封鎖された闇の向こう側から聞こえるのは、本当に霊の声なのでしょうか。それとも、忘れ去られたトンネルの、ただの寂しい風の音なのでしょうか。
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