くらやみ坂:横浜の住宅街に潜む「戸部処刑場」跡…夜霧に浮かぶ「生首」の正体 横浜市西区、京急戸部駅からほど近い住宅街。その一角に、現代の風景とは不釣り合いなほどの暗い歴史を背負った坂道が存在します。それが「くらやみ坂」です。
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くらやみ坂:横浜の住宅街に潜む「戸部処刑場」跡…夜霧に浮かぶ「生首」の正体
横浜市西区、京急戸部駅からほど近い住宅街。その一角に、現代の風景とは不釣り合いなほどの暗い歴史を背負った坂道が存在します。それが「くらやみ坂」です。この坂は、江戸時代に重罪人を処刑した「戸部刑場」の跡地そのものであり、夜な夜な「宙に浮かぶ生首」が目撃されるとして、「横浜三大心霊地」の一つにも数えられる、都市伝説ではない本物の恐怖スポットです。
噂される怪奇現象と有名な体験談
この地に積み重なった無念の死は、今もなお、訪れる者たちに数々の不可解な現象を引き起こしています。
- 坂の中腹、暗闇の中に「宙に浮かぶ生首」が目撃される。
- 坂の上にある赤い祠から、苦しげな「呻き声」が聞こえてくる。
- 誰もいないはずなのに、背後から足音がついてくる。あるいは「足を掴まれる」感覚に襲われる。
- 近くの民家の階段に、人とも影ともつかない「黒い人影」が座っている。
- 撮影した写真や動画に、白い靄(もや)や人影状のものが写り込む。
- 坂の周辺で、心霊アプリやEMF測定器が異常な高反応を示す。
- 訪問者が、原因不明の寒気、金縛り、耳鳴りなどの体調不良を訴える。
宙に浮かぶ「生首」
くらやみ坂で最も恐れられ、象徴的ともいえる怪奇現象が、この「生首の目撃談」です。 夜間、坂の中腹あたりに差し掛かると、街灯の明かりが届かない暗闇の中に、人間の「生首」だけがぼんやりと浮かび上がって見えるというのです。 これは、かつてこの場所が「戸部刑場」であり、斬首された罪人の首が「晒し首」にされたという、おぞましい史実とあまりにも酷似しています。その無念の記憶が、今もなおこの坂に怨念として残り続けている証拠ではないかと噂されています。
祠からの呻き声と「憑いてくる足音」
坂の上には、この地で亡くなった人々を供養するためか、石碑と小さな赤い祠が設置されています。しかし、この祠こそが新たな恐怖の源泉となっているのです。 深夜、この祠に近づくと、中から「ううぅ…」という、押し殺したような呻き声が聞こえてくるというのです。 さらに、1960年代から地元の中学生の間で囁かれているのが、「坂を通ると足を掴まれる」「壁に無数の手形が残る」という噂です。静まり返った夜の坂道で、自分の足音とは違う「もう一つの足音」が背後から追ってくるという体験談も後を絶ちません。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
くらやみ坂の成り立ち
この坂は、江戸時代には「保土ヶ谷道」と呼ばれる旧道の一部でした。 「くらやみ坂」という名の由来には諸説あり、一説には源頼朝がこの坂から見える袖ヶ浦の景色に見惚れ、馬(鞍)を止めたことから「鞍止坂」と呼ばれたという雅な伝承もあります。また、かつては森林が鬱蒼と茂り、昼でも薄暗かったために「暗闇坂」と名付けられたとも言われています。 しかし、現在最も有力とされる由来は、これから語る血塗られた歴史に他なりません。
心霊スポットになった“きっかけ”
この坂が「くらやみ坂」と呼ばれる最大の理由、それはここが「戸部刑場」であったという動かしがたい史実です。 幕末から明治初期にかけ、現在の西戸部から伊勢町一帯には「戸部牢屋敷(戸部監獄)」が存在し、殺人や放火などの重罪人が収監されていました。そして、この「くらやみ坂」こそが、牢屋敷に隣接する処刑場であり、罪人たちが「斬首」され、その首が「晒された」場所だったのです。 さらに、処刑後の遺体は、坂の下にあった池(通称「魔の池」)で洗われたと伝えられています。明治に入り、刑場跡が住宅地として開発される際、供養のために石碑と祠が建立されましたが、一説にはその供養が不十分であったため、行き場のない怨念がこの坂に残り続けていると言われています。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
横浜のど真ん中、今や閑静な住宅街となった「くらやみ坂」が、なぜこれほどまでに強力な心霊スポットとして恐れられ続けているのでしょうか。
- 歴史的要因: 最大の要因は、「牢屋敷」「処刑場」「斬首」「晒し首」「遺体洗浄の池(魔の池)」という、これ以上ないほど強烈な「死」の記憶が、この土地に凝縮されている点です。「宙に浮かぶ生首」や「祠からの呻き声」といった噂は、単なる都市伝説ではなく、この地で執行された凄惨な刑罰の歴史(残留思念)そのものが、現代に顕現している可能性が極めて高いと言えます。
- 地理的・環境的要因: 横浜の中心部であるにもかかわらず、この坂は現在も道幅が狭く、夜間は外灯が少なく非常に暗い環境です。「くらやみ坂」という名前が、物理的な暗さとしても残っているのです。この暗闇が、訪問者の恐怖心を本能的に増幅させます。また、両側を住宅の壁に囲まれた坂道は、音が反響しやすく、風の音や自分の足音を「呻き声」や「追ってくる足音」として誤認(幻聴)しやすい条件が揃っています。
- 心理的要因: 「くらやみ坂」という名前のインパクトと、「ここは処刑場跡だ」という強烈な先入観が、訪問者の五感を過敏にさせます。1980年代にテレビ番組で「横浜三大心霊地」として紹介されたことも、この場所の恐怖イメージを決定づけました。「民家の階段に座る影」などは、暗闇と先入観が生み出す典型的なパレイドリア現象(錯覚)である可能性もありますが、それがこの地の歴史と結びつくことで、強烈なリアリティを持ってしまうのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 「くらやみ坂」は一般の公道(市道)であり、法的な立入禁止ではありません。
- 坂道は舗装されていますが、両側は完全に一般の住宅地です。
- 坂の上には「くらやみ坂」の石碑と赤い祠が設置されており、今も供花や線香が手向けられていることがあります。
- 夜間は外灯が少なく、足元が非常に暗くなります。
- 道幅が非常に狭い「一方通行」の道路です。 深夜でも住民の車が通行する可能性があり、車両や他の歩行者には最大限の注意が必要です。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 【最重要】この場所は閑静な「住宅街の真ん中」にあります。 深夜に大声で騒ぐ、集団で居座る、ゴミを捨てるなどの行為は、近隣住民への深刻な迷惑行為であり、即座に通報の対象となります。
- 駐車場はありません。 周辺道路への路上駐車は、交通の妨げとなり厳禁です。公共交通機関を利用してください。
- この地で亡くなった人々への敬意を払い、祠や石碑を荒らしたり、不謹慎な言動をとったりすることは絶対にやめてください。
- 訪問は自己責任ですが、住民の生活を脅かす行為だけは絶対に行わないでください。
まとめ
横浜の華やかな発展の陰で、静かに「死」の記憶を刻み続ける、くらやみ坂。住宅街に響く呻き声や、暗闇に浮かぶ生首の噂は、この地の凄惨な歴史が今も忘れ去られていないことの証左です。もしこの坂を訪れるならば、それは肝試しではなく、歴史の暗部への「弔い」の念を持って臨むべきでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 旧根岸競馬場跡 南へ約2.5km。米軍接収時代の兵士の霊や、馬の霊が出るとされる、横浜を代表する巨大廃墟心霊スポットです。
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