神奈川県秦野市と伊勢原市の境に位置する善波峠。その旧道の傍らに、ひっそりと佇む小さな塚があります。ここは、戦国時代に非業の死を遂げた武将・渋沢金太夫の首が祀られていると伝わる「首塚」です。夜な夜な甲冑姿の武士の霊が塚を守るように現れると噂され、知る人ぞ知る心霊スポットとして畏敬の念を集めています。
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神奈川県秦野市と伊勢原市の境に位置する善波峠。その旧道の傍らに、ひっそりと佇む小さな塚があります。ここは、戦国時代に非業の死を遂げた武将・渋沢金太夫の首が祀られていると伝わる「首塚」です。夜な夜な甲冑姿の武士の霊が塚を守るように現れると噂され、知る人ぞ知る心霊スポットとして畏敬の念を集めています。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- 塚の周辺や旧道で、甲冑をまとった首のない武士の霊が彷徨っている。
- 深夜、塚のあたりから馬のいななきや、武士たちの話し声が聞こえる。
- 塚に背を向けると、背後から「どこへ行く」と低い声で話しかけられる。
- 塚の写真を撮ると、オーブや人魂、武士の顔のようなものが写り込む。
- 付近を車で走行中、急にハンドルが重くなったり、金縛りのような状態になったりする。
塚を守る首のない武将
この場所で最も有名な噂が、首のない武士の霊の目撃談です。深夜、首塚の前に立つと、どこからともなく甲冑をまとった武士の霊が現れ、塚を守るように仁王立ちしていると言われています。その霊は首から上がなく、無念の念を発しているため、直視した者は強い恐怖と共に原因不明の体調不良に見舞われるとされています。この霊こそ、祀られている渋沢金太夫本人ではないかと噂されています。
背後からの謎の声
首塚に訪れた者が体験するという、不可解な声の現象も数多く報告されています。塚に手を合わせ、その場を立ち去ろうと背を向けた瞬間、すぐ背後から「どこへ行く」「我を置いていくな」といった、男性の低い声がはっきりと聞こえるというものです。もちろん振り返っても誰もおらず、声だけが脳裏に焼き付くと言います。これは、かつての家臣の霊が、主君である金太夫の塚から離れたくないという思いの現れではないかと考えられています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
善波峠の首塚の成り立ち
この首塚は、後北条氏に仕えた武将、渋沢金太夫(しぶさわきんだゆう)を祀るものです。戦国時代の1569年(永禄12年)、武田信玄が小田原へ侵攻した際の三増峠の戦いにおいて、北条方の武将であった金太夫はこの善波峠で奮戦したものの、討ち死にしたと伝えられています。その後、地元の人々がその死を憐れみ、亡骸から首をこの地に手厚く葬り、供養のために塚を建てたのが始まりとされています。塚の横には、その由来を記した石碑と案内板が設置されています。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとして語られるようになったのは、その由来が「討ち死にした武将の首を祀る」という、非常に直接的で分かりやすいものであったことが最大の理由です。戦国の世の無念の死という悲劇的な背景が、首のない武士の霊や、戦の音が聞こえるといった怪談と結びつきました。隣接する「旧善波トンネル」が少女の霊の噂で有名になったことと相まって、善波峠一帯が心霊ゾーンとして認識され、多くの心霊ファンに知られるようになりました。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
- 歴史的要因: 戦で討ち死にした武将の「首」が埋められているという、極めて強烈な歴史的背景が恐怖の根源です。英雄的な最期と、首だけが祀られているという事実のギャップが、訪問者の想像力を掻き立て、霊の存在を強く意識させます。
- 地理的・環境的要因: 首塚は、交通量の多い現在の国道246号線から一本入った、静かで薄暗い旧道沿いにあります。木々に囲まれ、昼間でもひんやりとした空気が漂っており、夜は完全な暗闇になります。この隔絶された雰囲気が、五感を鋭敏にし、心霊現象を体験しやすい環境を作り出しています。
- 心理的要因: 「首塚」という名前を聞いただけで、訪問者は「首のない武士の霊が出るかもしれない」という強烈な先入観を抱きます。この先入観が、暗闇の中の木の影を武士の姿と見間違えたり、風の音を声と聞き間違えたりする心理的な要因となっている可能性は否定できません。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 塚は旧道沿いにあり、誰でも訪れて手を合わせることができます。立入禁止ではありません。(2025年8月時点)
- 道の状態: 首塚がある旧道は舗装されていますが、道幅は狭く、街灯もほとんどありません。
- 危険箇所: 夜間は非常に暗く、足元が見えにくいため、つまずきや転倒に注意が必要です。
- その他: 山道であるため、夏場は蚊や害虫が多く、野生動物と遭遇する可能性もあります。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 慰霊の気持ちを忘れない: この場所は、故郷を守るために戦い、命を落とした武将の墓所です。肝試し気分で騒いだり、塚を荒らしたりするなどの不敬な行為は絶対に許されません。訪れた際は、まず静かに手を合わせ、金太夫の冥福を祈ってください。
- 近隣住民への配慮: 旧道の周辺には民家もあります。深夜に車のエンジン音や話し声で迷惑をかけないよう、最大限の配慮が必要です。
- 火気厳禁: 周辺は草木が生い茂っています。タバコのポイ捨てなど、火事の原因となる行為は絶対にやめてください。
まとめ
善波峠の首塚は、戦国武将の悲劇的な最期を今に伝える、歴史的に重要な場所です。ここで語られる心霊現象は、450年以上もの間、この地で眠り続ける武将の魂の叫びなのかもしれません。もし訪れるのであれば、その歴史の重みを感じ、最大限の敬意と慰霊の念を持って、静かに手を合わせるべきでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 旧善波トンネル: この首塚のすぐそばにある、大正時代に建設された古いトンネル。「トンネル内で暴行され殺害された少女の霊が出る」という都市伝説があり、この峠一帯が心霊ゾーンと認識される大きな要因となっています。
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