神話の聖地に渦巻く神気…伊勢志摩の「天岩戸(天の岩戸)」 三重県志摩市、伊勢神宮の別宮である「伊雑宮(いざわのみや)」の近く、深い森の中に、日本神話の時代から続く神聖な場所「天の岩戸(あまのいわと)」があります。
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神話の聖地に渦巻く神気…伊勢志摩の「天岩戸(天の岩戸)」
三重県志摩市、伊勢神宮の別宮である「伊雑宮(いざわのみや)」の近く、深い森の中に、日本神話の時代から続く神聖な場所「天の岩戸(あまのいわと)」があります。太陽神・天照大神が隠れたとされる伝説の洞窟であり、日本屈指の強力なパワースポットとして知られています。しかし、ここは一般的な心霊スポットとは一線を画し、そのあまりにも神聖で清浄、そして厳格なエネルギーが、訪れる者に畏怖の念を抱かせ、「生半可な気持ちで近づいてはならない」特別な場所として知られています。
心霊スポットとしての天岩戸:神聖すぎて怖い「神域」
この場所が「怖い」と語られる理由は、人間の怨念や不成仏霊の存在によるものではありません。ここに満ちているのは、神々の計り知れないほど強大で、清らかなエネルギーそのものです。天照大神という最高神が籠られた場所であるため、その神気は凄まじく、不敬な考えを持つ者や、霊的に敏感な人が訪れると、その強すぎる「気」にあてられてしまい、体調を崩したり、精神的に圧倒されたりすると言われています。ここは亡霊が彷徨う場所ではなく、神が坐す「神域」なのです。
歴史的背景:天照大神の岩戸隠れ神話
天の岩戸の伝説は、日本最古の歴史書「古事記」に記されています。 弟である素戔嗚尊の乱暴な振る舞いに心を痛めた天照大神は、この岩戸に隠れてしまいました。太陽神が隠れたことで世界は闇に閉ざされ、災厄が起こります。困り果てた八百万の神々は、岩戸の前で宴を開き、天照大神の興味を引きました。天照大神が少しだけ岩戸を開けた瞬間、天手力男命がその手を取って引きずり出し、世界に再び光が戻った、という物語です。
この伊勢志摩の地は、その神話の舞台とされる場所の一つであり、洞窟からは「日本の名水百選」にも選ばれた清水が湧き出ています。この水は「恵利原の水穴(えりはらのみずあな)」と呼ばれ、神聖な水として知られています。
神域で報告される不思議な体験
この場所で報告される現象は、怪奇現象というよりも「神域に立ち入った者に起きるスピリチュアルな体験」と言うべきものです。
- 強烈な気配と視線 鳥居をくぐり、洞窟へ近づくにつれて、空気が一変し、全方位から神々に見られているような、強烈な気配を感じると言います。ふざけ半分で訪れた者は、その厳格な視線に耐えられなくなるとも言われています。
- 心身の変化 心が清らかな状態で訪れると、心身が浄化されるような心地よさを感じる一方、不敬な気持ちやネガティブな感情を抱いていると、急な頭痛やめまい、吐き気など、「気あたり」と呼ばれる体調不良を起こすことがあるとされています。
- 写真に写り込む光の玉 この場所で撮影された写真には、神聖なエネルギーの現れとされる、美しい光の玉やオーブが写り込むことが多いと言われています。
現地の状況・注意事項:神話の舞台と参拝の作法
- 現在の状況 天の岩戸は、現在も多くの参拝者が訪れる神聖な信仰の場です。うっそうとした木々に囲まれ、苔むした岩や清らかな水の流れが、神話の時代から時が止まったかのような荘厳な雰囲気を醸し出しています。
- 立ち入り禁止区域 洞窟の内部や、注連縄(しめなわ)が張られている神域への立ち入りは固く禁じられています。
- 安全上の注意点 参道は舗装されておらず、雨の日やその後は、地面がぬかるみ非常に滑りやすくなります。必ず歩きやすい靴で訪れてください。
- マナー・ルール ここは日本神話に登場する、極めて神聖な場所です。肝試し気分で訪れることは、神々に対する最大の侮辱行為です。参拝する際は、鳥居の前で一礼し、静粛に、そして敬虔な気持ちを持ってください。大声で騒いだり、ゴミを捨てたり、動植物や石を持ち帰ったりする行為は言語道断です。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 安全面を考慮し、必ず日中の明るい時間帯に訪れてください。神聖な空気をより深く感じるためには、人の少ない早朝の参拝も良いとされています。
- 特定のスポット 「天の岩戸」の洞窟そのものはもちろん、そこから湧き出る清水「恵利原の水穴」も、非常に強いエネルギーを持つ場所とされています。