落武者狩りの怨念が刻まれた呪われた集落「血首村(ちくびむら)」 鳥取県の山深く、忌まわしい名前と共に語り継がれる一つの集落があります。その名は「血首村」。現在は「知久馬(ちくま)」という地名に変わっていますが、かつてこの場所で起きたとされる、あまりにも残虐な「落武者狩り」の歴史から、
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落武者狩りの怨念が刻まれた呪われた集落「血首村(ちくびむら)」
鳥取県の山深く、忌まわしい名前と共に語り継がれる一つの集落があります。その名は「血首村」。現在は「知久馬(ちくま)」という地名に変わっていますが、かつてこの場所で起きたとされる、あまりにも残虐な「落武者狩り」の歴史から、今もなお人々から畏怖の念を込めてそう呼ばれています。村を裏切った者たちへの、武士の最後の呪いが、400年以上の時を超えてこの地に渦巻いていると言われています。
心霊スポットとしての血首村:武士の呪いがもたらす災い
この集落が心霊スポットとして恐れられる理由は、戦国時代にこの地で起きたとされる、凄惨な裏切りと虐殺の物語にあります。戦に敗れ、この村へ落ち延びてきた武士たちを、村人たちが恩賞目当てに騙し討ちにし、皆殺しにしたというのです。その際に、武士の長が言い放った「末代まで祟ってやる」という強烈な呪いが、その後、村に数々の災いをもたらしたと信じられており、面白半分でこの地を訪れた者にも不幸が訪れるとされています。
歴史的背景:裏切りの落武者狩りと呪いの言葉
伝説の舞台は、戦国時代。戦に敗れた尼子(あまご)氏の残党が、追っ手から逃れるために、この人里離れた村へと落ち延びてきました。村人たちは、当初は彼らを温かく受け入れたと言います。
しかし、追討軍から「落武者たちの首を差し出せば、莫大な恩賞を与える」という報せが届くと、村人たちの態度は一変。欲に目がくらんだ村人たちは、酒を振る舞って武士たちを酔わせ、寝込みを襲って皆殺しにしてしまいました。
首を刎ねられるまさにその時、武士の長は「我らを裏切ったこの村を、末代まで呪い続けてやる!」と、血を吐くような叫び声を上げ、絶命したと言います。「血首村」という名は、この時に刎ねられた武士たちの「血の付いた首」に由来するとも、「知久馬(ちくま)」という地名が訛ったものとも言われています。この呪いのせいか、その後、村では原因不明の病や災害が頻発したと伝えられています。
怪奇現象・体験談:村を徘徊する落武者の霊
この集落では、虐殺された落武者たちの霊に関連する、数々の怪奇現象が報告されています。
- 甲冑姿の落武者の霊 深夜、村へ続く山道や、集落の中を、甲冑を身に着けた武士の霊が徘徊している姿が目撃されています。血ままみれの姿でこちらを睨みつけてきたり、複数人の行列で無言のまま山中へ消えていったりすると言います。
- 赤い服の女性の霊 武士の霊だけでなく、なぜか赤い服を着た女性の霊が集落の入り口に立っている、という目撃談もあります。その正体は不明ですが、武士と共に亡くなった女性の霊なのかもしれません。
- 刀を交える音と叫び声 静まり返った夜の山中に、どこからともなく「裏切り者!」という叫び声や、刀と刀が激しくぶつかり合う合戦の音が聞こえてくるという体験談も後を絶ちません。
現地の状況・注意事項:住民が暮らす静かな集落
- 現在の状況 「血首村」という恐ろしい名前で呼ばれていますが、現在は「知久馬」という地名で、普通に人々が生活を営んでいる静かな集落です。
- 立ち入り禁止区域 集落は公道で繋がっていますが、民家や私有地へ無断で立ち入ることは固く禁じられています。
- 安全上の注意点 集落へ至る道は、ガードレールもない非常に狭く険しい山道です。夜間は街灯もなく、完全な暗闇となるため、運転には最大限の注意が必要です。
- マナー・ルール 最も重要な注意点です。 ここは観光地や廃墟ではなく、住民の方々の生活の場です。心霊スポットとして興味本位で訪れ、深夜に騒いだり、住民の方々にカメラを向けたり、不審な行動をとったりすることは、絶対にやめてください。 住民の方々の生活を脅かす、極めて悪質な迷惑行為です。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 前述の通り、住民の方々への配慮が最優先です。もしどうしても訪れたいのであれば、昼間の明るい時間帯に、車で静かに通り過ぎるに留めるべきです。夜間の訪問は、住民の方々に恐怖感を与えるため、絶対に推奨しません。
- 特定のスポット 集落全体が、伝説の舞台とされています。