白い着物の女が手招きする岐阜最恐の封印隧道「旧総谷トンネル」

岐阜県揖斐郡揖斐川町、徳山ダムへと続く国道417号線の旧道に、固く封鎖されたまま闇に沈む古いトンネルがあります。「旧総谷（そうたに）トンネル」です。現在は快適な新トンネルがその役目を担っていますが、かつて多くの悲惨な事故を招いたこの旧隧道こそが、着物姿の女性の霊が手招きすると噂される、岐阜県で最も有名な心霊スポットの一つです。

心霊スポットとしての旧総谷トンネル：事故死した女性の怨念

このトンネルが心霊スポットとしてこれほどまでに恐れられる理由は、トンネルの入り口付近で若い女性が亡くなったという悲劇的な話にあります。その死因は、交通事故であったとも、トンネルから身を投げての自殺であったとも言われていますが、いずれにせよ、この世に強い未練を残したその女性の霊が、今もなお自分が命を絶った現場を彷徨っていると信じられています。特に、トンネルへ入ろうとする者を、自分と同じ死の世界へ引きずり込もうとすると言われ、非常に危険な霊場として知られています。

歴史的背景：危険な隧道と悲劇の歴史

旧総谷トンネルは、1904年（明治37年）に完成した非常に古い手掘りの隧道です。全長約165メートル、内部は素掘りに近く、照明もほとんどないため、昼でも薄暗く不気味な雰囲気に満ちていました。さらに、道幅が極端に狭く、大型車のすれ違いは不可能であったため、トンネル内やその前後では、正面衝突や転落といった悲惨な交通事故が絶えませんでした。

そうした事故が多発する中で、いつしか「白い着物を着た女性の霊が出る」という噂が立つようになります。やがて、より安全な「新総谷トンネル」が開通すると、旧トンネルはその役目を終え、分厚いコンクリートの壁で完全に封鎖されました。しかし、封印された闇の中では、事故で亡くなった霊たちの苦しみと怨念が、より一層渦巻いていると言われています。

怪奇現象・体験談：トンネルへ誘う白い手と首の折れた地蔵

旧総谷トンネルでは、亡くなった女性の霊に関連する、数々の恐怖体験が報告されています。

• 着物姿の女性の霊 このトンネルを象徴する最も有名な怪奇現象です。封鎖されたトンネルの入り口に、白い着物（あるいは赤い着物）を着た髪の長い女性がたたずんでいると言います。その女性は、車で通りかかった人に向かって「こっちへおいで」と手招きをしてくるとされ、その誘いに乗ってしまうと、事故に遭ったり、神隠しにあったりすると恐れられています。
• トンネルの中から聞こえる叫び声 固く封鎖されたコンクリート壁の向こう、トンネルの奥から、助けを求める女性の叫び声や、苦しみに満ちたうめき声が聞こえてくることがあると言われています。
• 首が折れた地蔵 トンネルのすぐ近くには、一体のお地蔵様が祀られています。しかし、このお地蔵様はなぜか首が折れており、セメントのようなもので無残に補修されています。誰が、何のためにこのようなことをしたのかは不明ですが、この地の霊障の激しさを物語っているかのようで、非常に不気味です。
• 原因不明の車両トラブル トンネルに近づくと、車のエンジンが突然停止したり、カーオーディオからノイズが聞こえたりといった、原因不明の車両トラブルに見舞われるという報告も多くあります。

現地の状況・注意事項：完全に封鎖された旧トンネル

• 現在の状況 旧総谷トンネルは、現在、入り口が分厚いコンクリートの壁で完全に塗り固められており、内部に立ち入ることは一切できません。トンネル前の道は旧道として残っていますが、ほとんど利用されておらず、荒れ果てています。
• 立ち入り禁止区域 旧トンネル内部は物理的に立ち入り不可能です。封鎖された壁を破壊しようとする行為は、器物損壊罪にあたる可能性があります。
• 安全上の注意点 トンネルへ至る旧道は、ガードレールもない狭く険しい山道です。夜間は街灯もなく、完全な暗闇となるため、運転には最大限の注意が必要です。脱輪や転落の危険性も高く、クマなどの野生動物と遭遇する可能性もあります。
• マナー・ルール 旧トンネルの入り口には、今も花などが手向けられていることがあります。もし訪れる際は、静かに手を合わせ、この地に眠る全ての魂の冥福を祈ってください。不敬な行為は、災いを招くと言われています。

訪問のポイント

• おすすめの時間帯 トンネル内部には入れませんが、心霊スポットとしての雰囲気を味わいたいのであれば、交通量が皆無となる深夜が良いとされています。しかし、前述の通りアクセスは非常に危険です。
• 周辺の特定スポット 「封鎖されたトンネルの入り口」、「首の折れた地蔵」、「使われなくなった公衆電話ボックス」などが、特に霊的なエネルギーが強い場所として知られています。