女将の霊が彷徨う山の廃墟…三重の渓谷に眠る「鱒池亭(ますいけてい)」 三重県いなべ市、風光明媚な宇賀渓の山中に、ひっそりと朽ち果てていく一軒の廃墟があります。「鱒池亭」と呼ばれるこの建物は、かつてニジマス釣りや食事が楽しめたであろう料理旅館の跡地です。
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女将の霊が彷徨う山の廃墟…三重の渓谷に眠る「鱒池亭(ますいけてい)」
三重県いなべ市、風光明媚な宇賀渓の山中に、ひっそりと朽ち果てていく一軒の廃墟があります。「鱒池亭」と呼ばれるこの建物は、かつてニジマス釣りや食事が楽しめたであろう料理旅館の跡地です。しかし、その穏やかな名前とは裏腹に、経営を苦にした女将が館内で首を吊って命を絶ったという悲しい噂が広まり、東海地方でも有数の危険な心霊スポットとして知られるようになりました。
心霊スポットとしての鱒池亭:女将の怨念が渦巻く館
この廃墟が心霊スポットとして恐れられる理由は、この場所で商売を営んでいた女将が、経営不振を悲観し、館内の客室の一つで自ら命を絶ったという、あまりにも生々しい物語があるからです。事業への想いや、この場所への執着が強かったとされる女将の霊は、成仏できずに今もなおこの建物に留まり、主を失った我が家を守るかのように、あるいは訪れる者を呪うかのように、館内を彷徨い続けていると言われています。
歴史的背景:渓谷の賑わいと廃業の影
鱒池亭は、昭和の時代に、美しい宇賀渓を訪れる観光客を相手にしたニジマス釣りの釣堀と、その場で釣った魚を調理して提供する料理旅館として営業していました。当時は多くの家族連れや釣り客で賑わい、活気に満ちていたと伝えられています。
しかし、レジャーの多様化など時代の変化とともに客足は遠のき、経営が悪化。やがて廃業に追い込まれ、その後解体されることもなく、現在に至るまで廃墟として放置されています。心霊スポットとしての噂は、廃業後に広まった「女将自殺説」がきっかけです。この話に確たる証拠はありませんが、建物内に色濃く残る生活の痕跡と、渓谷の深い静寂が噂にリアリティを与え、東海地方の心霊マニアの間で有名な存在となっていきました。
怪奇現象・体験談:窓から見下ろす女将の霊
廃墟内部では、自殺したとされる女将の霊に関連する、数々の恐怖体験が報告されています。
- 女将が首を吊った部屋 館内の特定の和室が、女将が命を絶った現場とされており、この部屋は特に霊的なエネルギーが強いと言われています。部屋に入ると、激しい頭痛や吐き気、悪寒に襲われたり、誰もいないはずなのに金縛りにあったりするという体験談が後を絶ちません。
- 窓から覗く女将の霊 深夜、廃墟の外から建物を見上げると、2階の窓から髪の長い女性がじっとこちらを見下ろしている姿が目撃されています。それは、侵入者を監視する女将の霊だとされています。
- 謎の物音と声 静まり返った廃墟の中で、厨房の方から食器がぶつかり合う音がしたり、誰もいない廊下を歩く足音が聞こえたり、女性のすすり泣くような声が聞こえたりといった、様々な怪奇現象が報告されています。
現地の状況・注意事項:不法侵入厳禁!崩落寸前の最危険廃墟
- 現在の状況 建物は完全に廃墟化しており、長年の雨風によって腐敗と崩壊が著しく進んでいます。床は抜け落ち、階段も崩れかけているなど、いつ建物全体が倒壊してもおかしくない、極めて危険な状態です。
- 立ち入り禁止区域 この施設は私有地であり、敷地内への立ち入りは固く禁じられています。無断で侵入する行為は刑法の不法侵入(住居侵入罪)にあたる犯罪行為です。
- 安全上の注意点 不法侵入という法的なリスクに加え、建物の崩落リスクが非常に高いです。床を踏み抜いて階下へ転落したり、崩れた建材の下敷きになったりして、命に関わる重大な事故に繋がる可能性があります。また、山中であるため、マムシやスズメバチといった危険生物との遭遇リスクもあります。
- マナー・ルール 「絶対に立ち入らないこと」。これが唯一にして絶対のルールです。心霊スポットである以前に、所有者がいる私有地であり、極めて危険な場所であることを忘れてはなりません。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 この場所への訪問(敷地内への侵入)は、いかなる理由があっても絶対に推奨しません。宇賀渓のキャンプ場などへ向かう公道からその姿を遠望することはできますが、脇見運転は大変危険です。
- 周辺の関連スポット 周辺は宇賀渓として知られ、キャンプ場や美しい滝(長尾滝など)があり、ハイキングなどを楽しむことができます。危険な廃墟探索ではなく、健全なレジャーを楽しむことを強く推奨します。