人柱伝説が眠る三重の最恐隧道「女鬼(めき)トンネル」 三重県多気郡多気町、険しい山中を貫く「女鬼(めき)トンネル」。現在は快適な新トンネルが主要な交通路となっていますが、そのすぐ脇に固く封鎖された旧トンネルこそが、悲劇的な人柱伝説と共に、全国の心霊ファンにその名を知られる最恐の心霊スポットです。
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人柱伝説が眠る三重の最恐隧道「女鬼(めき)トンネル」
三重県多気郡多気町、険しい山中を貫く「女鬼(めき)トンネル」。現在は快適な新トンネルが主要な交通路となっていますが、そのすぐ脇に固く封鎖された旧トンネルこそが、悲劇的な人柱伝説と共に、全国の心霊ファンにその名を知られる最恐の心霊スポットです。「女鬼」という恐ろしい名前の由来となった哀しき女性の伝説が、今もなおこの地に強い怨念を縛り付けていると言われています。
心霊スポットとしての女鬼トンネル:人柱となった女性の怨念
旧女鬼トンネルがこれほどまでに恐れられる理由は、トンネル工事の安全を祈願するために、一人の女性が生き埋めにされたという「人柱伝説」にあります。難航を極めた工事を完成させるため、犠牲となった女性の計り知れない苦しみと無念が、このトンネルを強力な霊場へと変えました。彼女の霊は、時に鬼のような姿で現れるとされ、訪れる者に災いをもたらすと信じられています。
歴史的背景:人柱となった女鬼の哀しき伝説
旧女鬼トンネルが掘られたのは、明治時代のこと。しかし、当時の技術では硬い岩盤を掘り進める工事は困難を極め、落盤事故も多発しました。困り果てた村人たちは、山の神の怒りを鎮めるために、誰かを人柱として捧げることを決めます。
くじ引きの結果、白羽の矢が立ったのは、村でただ一人の女性の石工でした。彼女は「私が持つ鑿(のみ)と槌(つち)が摩耗しきった時、私は鬼となってこのトンネルを守り続けるだろう」と言い残し、自ら生き埋めになったと伝えられています。その後、工事は嘘のように順調に進み、無事にトンネルは開通。村人たちは、彼女の魂を鎮めるため、トンネルを「女鬼トンネル」と名付け、入り口に地蔵を祀ったということです。
やがて、より安全な新トンネルが完成すると、旧トンネルはその役目を終え、完全に封鎖されました。しかし、人柱となった女性の魂は、今もなお封印された闇の中で泣き続けていると言われています。
怪奇現象・体験談:闇から響くノミの音と女のすすり泣き
旧女鬼トンネルでは、人柱となった女性の霊に関連する、数々の恐怖体験が報告されています。
- 女鬼の霊 封鎖されたトンネルの前に、鬼の形相をした女性の霊が現れるという最恐の目撃談です。また、白い服を着た女性の霊がトンネルの入り口にたたずんでいたり、車で前を通り過ぎると、バックミラーに映り込んだりするという話も非常に有名です。
- 「カン…カン…」と響くノミの音 深夜、封鎖されたトンネルの壁に耳を当てると、中から「カン…カン…」と、岩を穿つノミの音が聞こえてくることがあると言います。これは、人柱となった女性の石工が、今もなおトンネルを掘り続けている音だとされています。
- 女性のすすり泣きと叫び声 トンネルの奥から、女性の悲しいすすり泣きや、助けを求める叫び声が聞こえてくるという体験談も後を絶ちません。
- 原因不明の車両トラブル トンネルに近づくと、車のエンジンが止まったり、ライトが明滅したりといった、原因不明の車両トラブルに見舞われるという報告も多くあります。
現地の状況・注意事項:完全に封鎖された旧トンネル
- 現在の状況 旧女鬼トンネルは、現在、入り口が分厚いコンクリートの壁で完全に塗り固められており、内部に立ち入ることは一切できません。 新女鬼トンネルは、現在も生活道路として利用されており、交通量もあります。
- 立ち入り禁止区域 旧トンネル内部は物理的に立ち入り不可能です。封鎖された壁を破壊しようとする行為は、器物損壊罪にあたる可能性があります。
- 安全上の注意点 トンネルへ至る道は、ガードレールもない狭く険しい山道です。夜間は街灯もなく、完全な暗闇となるため、運転には最大限の注意が必要です。脱輪や転落の危険性も伴います。
- マナー・ルール 旧トンネルの入り口には、人柱となった女性を供養するためのお地蔵様が祀られています。もし訪れる際は、必ず静かに手を合わせ、彼女の冥福を祈ってください。不敬な行為は、強力な呪いを招くと言われています。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 トンネル内部には入れませんが、心霊スポットとしての雰囲気を味わいたいのであれば、交通量が少なくなる深夜が良いとされています。しかし、前述の通りアクセスは非常に危険です。
- 周辺の関連スポット 旧トンネルの手前には「女鬼の泉」と呼ばれる湧水スポットがあります。