湖底に沈んだ墓地と自殺者の霊が彷徨う「なめり湖(安濃ダム)」 三重県津市、豊かな自然に囲まれた美しい人工湖「なめり湖」。その正体は、安濃川(あのうがわ)を堰き止めて造られた「安濃(あのう)ダム」です。バス釣りの名所として、また桜や紅葉の景勝地として、昼間は多くの人々が訪れる穏やかな場所です。
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湖底に沈んだ墓地と自殺者の霊が彷徨う「なめり湖(安濃ダム)」
三重県津市、豊かな自然に囲まれた美しい人工湖「なめり湖」。その正体は、安濃川(あのうがわ)を堰き止めて造られた「安濃(あのう)ダム」です。バス釣りの名所として、また桜や紅葉の景勝地として、昼間は多くの人々が訪れる穏やかな場所です。しかし、その美しい湖面の下には、ダム建設によって湖底に沈められた墓地の魂と、ここで身を投げた数多くの人々の霊が眠っていると言われています。
心霊スポットとしてのなめり湖:湖底の魂と水辺の怨念
この湖が心霊スポットとして恐れられる理由は、二つの重い「死」の記憶が深く刻み込まれているからです。一つは、ダム建設の際に湖の底へと沈んだ、かつての村の墓地。先祖代々の墓が水底にあるという事実は、人々に霊的な畏怖を抱かせます。そしてもう一つが、ダム完成後に自殺の名所となってしまい、ここで命を絶った人々の霊が数多く目撃されているという、より生々しい現実です。湖底の魂と、自ら命を絶った魂が混ざり合い、この場所を強力な霊場にしていると考えられています。
歴史的背景:ダムに沈んだ墓地
なめり湖は、洪水調節や水道用水の確保を目的として、1979年(昭和54年)に完成した安濃ダムによって生まれました。このダム建設のため、かつてこの地にあった集落の一部、そして墓地が水没することになりました。墓石そのものは移転されたとされていますが、先祖が眠っていた土地そのものが水底にあるという事実に、今も複雑な思いを抱く人々がいます。
そして、ダム完成後、その美しい景観が皮肉にも人生に絶望した人々を惹きつける場所となってしまいました。湖に架かる橋からの投身や、湖畔の森での首吊りなど、自殺の噂は後を絶ちません。湖底に眠る魂が、新たな魂を呼び寄せているのでしょうか。
怪奇現象・体験談:赤い服の女と湖畔の母子
この湖では、自殺者の霊と、湖底に眠る霊、双方に関連すると思われる怪奇現象が数多く報告されています。
- 赤い服の女性の霊 この場所を象徴する最も有名な怪奇現象です。深夜、湖に架かる橋の上や、湖畔の道路を、血のように真っ赤な服を着た髪の長い女性の霊が徘徊している姿が目撃されています。その姿を見てしまうと、事故に遭う、あるいは呪われると恐れられています。
- 母子の霊と赤ん坊の泣き声 湖のほとりで、母親と幼い子供の霊が手をつないで水面をじっと見つめている姿も目撃されています。また、誰もいないはずの湖畔から、赤ん坊の甲高い泣き声が聞こえてくるという体験談も非常に有名です。
- 車に付着する無数の手形 湖畔の駐車場に車を停めていると、窓ガラスや車体に、内側から付けられたようなびっしりと濡れた手形が付着していた、という体験談も後を絶ちません。
現地の状況・注意事項:観光地と夜の闇
- 現在の状況 なめり湖周辺は、現在も公園やボート乗り場などが整備された観光地です。昼間は多くの人々で賑わっています。しかし、夜間は街灯も少なく、湖畔の道は完全な暗闇に包まれ、不気味な雰囲気が漂います。
- 立ち入り禁止区域 ダムの管理施設や、危険を示すフェンスの内側への立ち入りは固く禁じられています。
- 安全上の注意点 湖畔の道路はカーブが多く、夜間は視界が悪くなります。対向車や野生動物の飛び出しにも注意が必要です。また、夜間に湖のほとりに近づく行為は、足元が暗く、転落の危険が伴います。
- マナー・ルール ここは先祖代々の墓地が沈み、多くの人々が命を落とした悲劇の場所です。決して面白半分の肝試し気分で騒いだり、不謹慎な行動をとったりしないでください。全ての魂への慰霊の念を忘れてはなりません。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 心霊スポットとしての顔に触れたいのであれば、交通量が少なくなる深夜となりますが、危険も伴います。特に霧深い夜は、より一層不気味な雰囲気が増すと言われています。
- 特定のスポット 「湖に架かる橋の上」や、「湖畔の駐車場」、「ダムの堰堤(えんてい)」付近は、特に怪奇現象の噂が多い場所です。