従業員の霊が彷徨う湯の山の廃墟「鶯花荘(おうかそう)寮」 三重県菰野町、温泉地として知られる湯の山温泉の山中に、静かに崩壊の時を待つ廃墟があります。「鶯花荘寮」と呼ばれるこの建物は、かつて近くに存在した「ホテル鶯花荘」の従業員寮でした。
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従業員の霊が彷徨う湯の山の廃墟「鶯花荘(おうかそう)寮」
三重県菰野町、温泉地として知られる湯の山温泉の山中に、静かに崩壊の時を待つ廃墟があります。「鶯花荘寮」と呼ばれるこの建物は、かつて近くに存在した「ホテル鶯花荘」の従業員寮でした。現在はホテル本体も解体され、この寮だけが深い森の中に取り残されています。寮内で従業員が自殺したという悲しい噂が絶えず、東海地方でも有数の危険な心霊スポットとして知られています。
心霊スポットとしての鶯花荘寮:見捨てられた寮に宿る無念
この廃墟が心霊スポットとして恐れられる理由は、ここで働いていた従業員が、将来を悲観して首吊りや飛び降りによって命を絶った、という噂があるためです。華やかな温泉街の裏側で、誰にも知られずに絶望の淵に立たされた人々の無念が、主を失ったこの寮に渦巻いていると言われています。建物から感じる強烈な生活感と、そこに漂う死の気配が、訪れる者に言い知れぬ恐怖を感じさせます。
歴史的背景:ホテルの閉鎖と取り残された従業員寮
鶯花荘寮は、昭和の時代に温泉客で賑わった「ホテル鶯花荘」の従業員たちが生活していた場所です。しかし、バブル崩壊などの影響でホテルの経営が悪化し、2000年代初頭にホテルは閉鎖。その後、ホテル本館は解体されましたが、なぜかこの従業員寮だけは手付かずのまま、深い山中に放置されることになりました。
心霊スポットとしての噂が広まったのは、廃墟となってからです。「経営不振で解雇された従業員が、行く末を案じて寮で自殺した」「過酷な労働から逃れるために命を絶った」など、複数の悲劇的な物語が語られるようになりました。これらの話の真偽は定かではありませんが、建物内に残された生活の痕跡が、噂に生々しいリアリティを与えています。
怪奇現象・体験談:窓から見下ろす女と黒い影
廃墟となった寮の内部や周辺では、数多くの不可解な現象が報告されています。
- 窓から見下ろす女性の霊 この廃墟を象徴する最も有名な怪奇現象です。深夜、寮の建物を外から見上げると、2階か3階の窓から、髪の長い女性の霊がじっとこちらを見下ろしていると言います。その姿は、助けを求めているようにも、侵入者を威嚇しているようにも見えるそうです。
- 廊下を横切る黒い影 寮の内部に侵入すると、廊下の奥を黒い人影がすっと横切るのが目撃されています。それは男性の霊であると言われ、自殺した従業員の霊ではないかと噂されています。
- 誰もいないはずの部屋からの物音 静まり返った廃墟の中で、ドアが激しくノックされる音や、ガラスが割れる音、人の話し声などが聞こえてくるという体験談も後を絶ちません。
現地の状況・注意事項:不法侵入厳禁!倒壊寸前の危険な廃墟
- 現在の状況 建物は廃墟となってから20年以上が経過し、荒廃が激しく進んでいます。ガラスは割れ、壁は崩れ、内部はゴミや瓦礫が散乱し、いつ倒壊してもおかしくない極めて危険な状態です。
- 立ち入り禁止区域 この施設は私有地であり、敷地内への立ち入りは固く禁じられています。無断で侵入する行為は刑法の不法侵入(住居侵入罪)にあたる犯罪行為です。入り口は封鎖されています。
- 安全上の注意点 不法侵入という法的なリスクに加え、建物が倒壊する危険性が非常に高いです。床を踏み抜いて階下へ転落したり、崩れた建材の下敷きになったりして、命に関わる重大な事故に繋がる可能性があります。
- マナー・ルール 「絶対に立ち入らないこと」。これが唯一にして絶対のルールです。心霊スポットである以前に、所有者がいる私有地であり、極めて危険な場所であることを忘れてはなりません。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 この場所への訪問(敷地内への侵入)は、いかなる理由があっても絶対に推奨しません。鈴鹿スカイラインなどの公道からその姿を遠望することは可能ですが、脇見運転は大変危険です。
- 周辺の関連スポット 周辺は湯の山温泉として知られ、多くの温泉旅館や御在所ロープウエイなどの観光施設があります。危険な廃墟探索ではなく、健全な観光を楽しむことを強く推奨します。