湖底に沈んだ村と自殺者の霊が彷徨う名張の「青蓮寺湖(青蓮寺ダム)」 三重県名張市、美しいV字渓谷に広がる「青蓮寺湖(しょうれんじこ)」。春は桜、秋は紅葉の名所として知られ、バードウォッチングや釣り、味覚狩りなどを楽しむ多くの観光客で賑わう、風光明媚な湖です。
...
湖底に沈んだ村と自殺者の霊が彷徨う名張の「青蓮寺湖(青蓮寺ダム)」
三重県名張市、美しいV字渓谷に広がる「青蓮寺湖(しょうれんじこ)」。春は桜、秋は紅葉の名所として知られ、バードウォッチングや釣り、味覚狩りなどを楽しむ多くの観光客で賑わう、風光明媚な湖です。しかし、その穏やかな湖面の下には、ダム建設によって湖底に沈められた村の悲しい歴史と、ここで身を投げた数多くの人々の魂が眠っています。
心霊スポットとしての青蓮寺湖:湖底の村の記憶と絶えない自殺者
この湖が心霊スポットとして恐れられる理由は、二つの重い「死」の記憶にあります。一つは、1970年のダム完成によって、先祖代々の土地や家屋が湖の底へと沈んだ「青蓮寺村」の人々の無念。そしてもう一つが、完成後の美しい湖が、皮肉にも自殺の名所となってしまい、ここで命を絶った人々の霊が数多く目撃されているという現実です。故郷を失った魂と、自ら命を絶った魂が混ざり合い、この場所を強力な霊場にしていると考えられています。
歴史的背景:ダムに沈んだ青蓮寺村
青蓮寺湖は、水資源の確保と洪水調節を目的として、1970年(昭和45年)に完成した青蓮寺ダムによって生まれた人工のダム湖です。このダム建設のため、かつてこの地にあった「青蓮寺村」の集落は、全戸移転を余儀なくされ、その全てが湖の底へと沈みました。墓地なども移転されたとされていますが、故郷を水底に奪われた人々の悲しみや想いは、今もなおこの湖に深く刻み込まれています。
ダム完成後、その美しい景観から観光地として整備されましたが、いつしか湖に架かる橋や、湖畔の森が自殺の場所として選ばれるようになってしまいました。湖底に眠る村の悲しみが、新たな悲劇を呼び寄せているのでしょうか。
怪奇現象・体験談:橋の上の女と水底から伸びる手
この湖では、自殺者の霊と、湖底に沈んだ村の霊、双方に関連すると思われる怪奇現象が数多く報告されています。
- 橋の上に立つ女性の霊 湖に架かる二つの赤い橋、「弁天橋」と「紅葉橋」は、特に霊の目撃情報が多い場所です。深夜、橋の真ん中に髪の長い女性の霊がたたずんでいる姿が頻繁に目撃されています。車で通り過ぎてバックミラーで確認すると、もう姿が消えていると言います。
- 湖面から伸びる無数の手 深夜、湖の水面をライトで照らすと、水の中から無数の白い手が伸びてきて、こちらを手招きしている、という恐怖の体験談があります。これは、水死した霊たちが新たな犠牲者を水底へ引きずり込もうとしている姿だとされています。
- 湖畔を彷徨う老婆の霊 湖畔の道路を、腰の曲がった老婆の霊が歩いている姿も目撃されています。湖底に沈んだ村の住人ではないかと囁かれています。
- 渇水時に現れる村の跡 湖の水位が異常に下がった際には、湖底からかつての村の道や家々の基礎が現れることがあると言います。その光景は、この場所の悲しい歴史を改めて突きつけてきます。
現地の状況・注意事項:観光地と夜の闇
- 現在の状況 青蓮寺湖周辺は、現在も観光農園や公園、ホテルなどが点在する観光地です。昼間は多くの人々で賑わっています。しかし、夜間は街灯も少なく、湖畔の道は完全な暗闇に包まれます。
- 立ち入り禁止区域 ダムの管理施設や、危険を示すフェンスの内側への立ち入りは固く禁じられています。
- 安全上の注意点 湖畔の道路はカーブが多く、夜間は視界が悪くなります。対向車や野生動物の飛び出しにも注意が必要です。また、夜間に湖のほとりに近づく行為は、足元が暗く、転落の危険が伴います。
- マナー・ルール ここは故郷を失った人々の悲しみと、多くの人々が命を落とした悲劇が眠る場所です。決して面白半分の肝試し気分で騒いだり、不謹慎な行動をとったりしないでください。全ての魂への慰霊の念を忘れてはなりません。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 心霊スポットとしての顔に触れたいのであれば、交通量が少なくなる深夜となりますが、危険も伴います。特に霧深い夜は、より一層不気味な雰囲気が増すと言われています。
- 特定のスポット 「弁天橋」と「紅葉橋」の二つの赤い橋の上、そしてダムの堰堤(えんてい)付近は、特に怪奇現象の噂が多い場所です。