「数を数える声」が響く…奈良の近代隧道「芦原(あしはら)トンネル」
奈良県宇陀市、緑豊かな山間部を貫く「芦原トンネル」。1993年(平成5年)に完成した、比較的新しく清潔なこのトンネルは、その快適な見た目とは裏腹に、女性や子供の霊が目撃されたり、謎の声が聞こえたりする、奈良県でも屈指の心霊スポットとして知られています。特に、トンネル内で何かの数を数える不気味な声が聞こえるという噂は、あまりにも有名です。
心霊スポットとしての芦原トンネル:近代トンネルに集う霊
このトンネルが心霊スポットとして語られる理由は、建設前後の悲劇的な噂にあります。トンネルが掘られた場所は、かつて古い墓地や古墳があった場所だとされ、工事によってその眠りを妨げられた霊が彷徨い出たと言われています。さらに、トンネル完成後に、併設された歩道で首を吊って命を絶った人がいるという噂が広まり、現代の不成仏霊もまた、この場所に留まる原因となっていると考えられています。
歴史的背景:新しいトンネルと古い魂
芦原トンネルは、交通の便を向上させるために平成の時代に建設された、全長約550メートルの近代的なトンネルです。車道とは別に、タイル張りの清潔な歩道も併設されています。
しかし、その建設地が持つ古い歴史と、完成後に生まれた新しい悲劇が、このトンネルを心霊スポットへと変えました。「工事中に人骨が多数出てきた」「近くにあった墓地を移設した」といった話や、「トンネルの歩道で女性が自殺した」という噂が、口コミやインターネットを通じて広まり、その清潔な見た目とのギャップが、逆に恐怖を増幅させる要因となっています。
怪奇現象・体験談:死者の数を数える声
このトンネルでは、様々な恐ろしい怪奇現象が報告されています。
- 数を数える謎の声このトンネルを象徴する最も有名な怪奇現象です。深夜、トンネル内を車で走行していると、どこからともなく「…じゅういち…じゅうに…」と、何かを数える女性の声が聞こえてくると言います。これは、トンネル内で死んだ人の数を数えているのだとされ、もし最後まで数えられてしまうと、その数を一つ増やされてしまう(=死ぬ)と恐れられています。
- 女性や子供の霊トンネル内の歩道で、うずくまって泣いている女性の霊や、一人で遊んでいる子供の霊が目撃されています。車で通りかかると、急に目の前に現れたり、追いかけてきたりすることもあると言います。
- フロントガラスに付着する無数の手形トンネルを抜けた後、車のフロントガラスを確認すると、外側から付けられた無数の手形がびっしりと付着していた、という体験談も後を絶ちません。
現地の状況・注意事項:現役のトンネルと歩道
- 現在の状況芦原トンネルは、現在も国道370号線として多くの車が利用する現役のトンネルです。内部は明るく、路面もきれいに整備されています。しかし、併設された歩道は利用者がほとんどおらず、夜間は不気味な雰囲気が漂います。
- 立ち入り禁止区域公道であり、立ち入り禁止区域は特にありません。しかし、トンネル内での駐停車は非常に危険です。
- 安全上の注意点交通量のあるトンネル内での駐停車や、むやみに車から降りる行為は、後続車との追突事故を招く極めて危険な行為です。絶対にやめてください。歩道を歩く際も、背後から来る車両には十分注意してください。
- マナー・ルールここは多くの人が利用する公共の道路です。大声で騒いだり、ゴミを散らかしたりする行為は厳禁です。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯心霊スポットとしての雰囲気を味わいたいのであれば、交通量が少なくなる深夜となりますが、前述の通り多くの危険が伴います。
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