奈良市と京都府の県境、黒髪山の山中に、巨大なコンクリートの塊が静かに森へ還ろうとしています。かつて「奈良少年院」あるいは「奈良ドリームランドの職員寮」であったと噂されるこの廃墟は、その異様な雰囲気と数々の怪奇現象の目撃談から、関西地方でも屈指の危険な心霊スポットとして知られています。
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奈良市と京都府の県境、黒髪山の山中に、巨大なコンクリートの塊が静かに森へ還ろうとしています。かつて「奈良少年院」あるいは「奈良ドリームランドの職員寮」であったと噂されるこの廃墟は、その異様な雰囲気と数々の怪奇現象の目撃談から、関西地方でも屈指の危険な心霊スポットとして知られています。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- 建物の中から、大勢の少年たちのざわめきや叫び声が聞こえる。
- 誰もいないはずの廊下を歩く足音や、ドアが激しく開閉する音がする。
- 窓という窓に、無数の霊がびっしりと張り付いてこちらを見ている。
- 敷地内にあるプール跡では、溺れた子供の霊が水面(跡地)から手招きをすると言われる。
- 侵入者を拒むかのように、建物内でポルターガイスト現象(物が飛ぶなど)が起こる。
- 写真を撮ると、窓に少年少女の顔が写り込んだり、赤いオーブが多数写ったりする。
窓を埋め尽くす無数の霊
この廃墟を訪れた多くの者が口を揃えて語るのが、窓に関する恐怖体験です。夜間に懐中電灯で建物の窓を照らすと、全ての窓に少年少女の顔がびっしりと張り付き、無表情でこちらを見下ろしているというものです。あまりの数の多さと異様さに、屈強な肝試し参加者でさえも逃げ帰ったという逸話が数多く残されています。
止まない少年たちの声
元少年院であったという噂からか、この廃墟では「音」に関する怪奇現象が多発すると言われています。特に深夜、建物に近づくと、中から多くの少年たちが騒ぐ声、何かを叫ぶ声、さらには悲鳴のようなものが聞こえてくるとされます。それはまるで、かつてここに収容されていた少年たちの無念や苦しみが、今も建物に染み付いて反響しているかのようだと言われています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
黒髪山の廃墟の成り立ち
この建物の正体については諸説ありますが、最も有力なのは1980年代に企業の保養所・研修施設として建設されたものの、バブル崩壊などの影響で使われることなく廃墟になった、というものです。「奈良少年院」や「奈良ドリームランドの職員寮」という噂も根強くありますが、いずれもそれを裏付ける公的な記録は見つかっていません。巨大なプールや複数の棟を持つ大規模な施設であったことから、様々な憶測を呼んだようです。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとして有名になったのは、90年代後半から2000年代にかけて、インターネットの掲示板や心霊サイトで「元少年院のヤバい廃墟がある」と紹介されたことがきっかけです。閉鎖的な少年院でいじめや虐待による死者が出た、というショッキングな(ただし根拠のない)噂が広まり、その広大な敷地と荒廃した雰囲気が相まって、多くの肝試し好きを引き寄せることになりました。その後、数々の心霊体験が報告され、関西を代表する心霊スポットの一つとして定着しました。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 敷地の入り口には頑丈なゲートとフェンスが設置されており、「立入禁止」「監視カメラ作動中」といった警告看板が多数掲げられています。敷地内は完全に私有地であり、立ち入りは固く禁じられています。
- 道の状態: 施設に至る道はありますが、私道であり、管理されていません。
- 危険箇所: 建物は30年以上放置され、自然の浸食と破壊行為により極度に荒廃しています。床の崩落、ガラスの散乱、アスベストの飛散など、内部は極めて危険な状態です。
- 監視体制: 所有者による管理が行われており、不法侵入対策として監視カメラが設置され、警察による巡回も強化されています。不法侵入で検挙された事例も報告されています。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に侵入しない: 繰り返しになりますが、敷地内への立ち入りは住居侵入罪という明確な犯罪行為です。絶対にフェンスを乗り越えたり、破壊したりしないでください。
- 近隣への配慮: 周辺は民家や農地です。深夜に集まって騒ぐなどの行為は、近隣住民の多大な迷惑となります。
- ドローンの使用も厳禁: 私有地の上空を無許可でドローン撮影することも、プライバシーの侵害や管理権の侵害にあたる可能性があります。
まとめ
黒髪山の廃墟は、その圧倒的な規模と不気味な雰囲気、そして根拠のない噂によって作り上げられた有名な心霊スポットです。しかし、現在は厳重に管理された危険な私有地であり、肝試し目的で訪れるべき場所では決してありません。過去の記録として、その存在を記憶に留めるに留めましょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 黒髪橋: 黒髪山の麓、佐保川に架かる小さな橋。失恋した黒髪姫が身を投げたという悲しい伝説があり、夜な夜な橋の欄干に髪の長い女性の霊が現れると噂されています。この廃墟からは車で数分の距離にあります。
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