奈良市と天理市の境界に横たわる、狭く薄暗い水間峠。その道中にある「水間トンネル」は、かつてこの地で命を絶った尼僧の霊が彷徨う場所として、古くから地元で語り継がれてきました。トンネルを抜けた先に現れるというその姿は、多くのドライバーに恐怖を与えてきた、奈良でも屈指の心霊ロードです。
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奈良市と天理市の境界に横たわる、狭く薄暗い水間峠。その道中にある「水間トンネル」は、かつてこの地で命を絶った尼僧の霊が彷徨う場所として、古くから地元で語り継がれてきました。トンネルを抜けた先に現れるというその姿は、多くのドライバーに恐怖を与えてきた、奈良でも屈指の心霊ロードです。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- トンネルの出入り口や峠のカーブで、尼僧の霊が立っている。
- 車で走行中、ボンネットや屋根を叩かれるような「バン!」という大きな音がする。
- バックミラーに、後部座席に誰も乗っていないはずなのに、尼僧の顔が映り込む。
- 峠の途中にある地蔵の前で、車のエンジンが停止したり、ライトが消えたりする。
- トンネル内で写真を撮ると、無数のオーブや、こちらを覗き込むような顔が写り込む。
尼僧の霊との遭遇
水間峠で最も有名なのが、尼僧の霊にまつわる怪談です。特に水間トンネルを奈良市側から天理市側へ抜けた直後のカーブで、白い頭巾をかぶった尼僧の霊がヒッチハイクをするかのように立っている、という目撃談が多数報告されています。車を停めずに通り過ぎると、バックミラーに恐ろしい形相の尼僧が映り込み、追いかけてくるとも言われています。
ボンネットを叩く謎の音
車でこの峠道を走行している際に体験するという、不可解な現象も有名です。特にトンネルの内部や、地蔵が祀られているカーブ付近で、突然「バン!」と車のボディ(特にボンネットや屋根)を平手で強く叩かれたような大きな音がするというものです。もちろん外には誰もおらず、車に傷一つついていないことから、霊的な存在による警告ではないかと恐れられています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
水間トンネルと水間峠の成り立ち
水間峠は、奈良市水間町と杣之川町を結ぶ奈良県道80号線にある峠道です。水間トンネル自体は1964年(昭和39年)に竣工した、比較的小さなトンネルです。この道は、奈良市中心部から布目ダムや柳生地区へ抜けるための生活道路・観光道路として利用されてきました。しかし、道幅が非常に狭く、急カーブが連続するため、交通の難所としても知られています。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとして語られるようになったのは、古くから伝わる尼僧の伝説が発端です。その昔、この峠で一人の尼僧が山賊に襲われ、無念の死を遂げたと言われています。その尼僧の霊が、今も成仏できずにこの峠を彷徨い続けているという話が、地元で語り継がれてきました。また、見通しの悪い峠道であることから、過去に交通事故が多発したことも、心霊スポットとしてのイメージを強める一因となったと考えられています。峠の途中に地蔵が祀られているのも、事故の犠牲者を弔うためではないか、と囁かれています。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 県道80号線として管理されており、通行は自由です。立入禁止ではありません。(2025年8月時点)
- 道の状態: 全線舗装されていますが、道幅が極めて狭く、普通車一台がやっと通れるほどの区間が続きます。対向車とのすれ違いは非常に困難です。
- 危険箇所: ブラインドカーブが連続し、見通しが非常に悪いです。ガードレールがない、あるいは低い区間も多く、脱輪や転落の危険性があります。夜間は街灯が一切ありません。
- その他: 携帯電話の電波が非常に不安定です。野生動物の飛び出しにも注意が必要です。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 運転技術に自信のない者は進入禁止: 特に夜間は、対向車のライトが見えるまでどちらかが待避所で待つ必要があります。運転に自信がない場合は、絶対にこの道を通るべきではありません。
- 最徐行を徹底する: もし通行する場合は、常に最徐行を心がけ、対向車や歩行者(ほぼいませんが)、動物の飛び出しに備えてください。
- 近隣への配慮: 峠の前後には集落があります。空ぶかしやクラクションなど、迷惑となる行為は厳禁です。
- 車のトラブルに備える: 携帯電話が通じない可能性があるため、万が一のスタックや故障に備え、単独での訪問は避けるべきです。
まとめ
水間トンネルと水間峠は、尼僧の悲しい伝説と、道自体の険しさが融合して生まれた心霊スポットです。噂される怪奇現象以上に、道幅の狭さや見通しの悪さといった物理的な危険性が極めて高い場所であることを忘れてはいけません。もし訪れるのであれば、そのリスクを十分に理解した上で、安全運転を徹底してください。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 白高大神(しらたかおおかみ): 水間トンネルから車で約15分ほどの距離にある、無数の赤い鳥居が並ぶ神社。山中に突如として現れるその光景は異様で、神隠しに遭う、写真を撮ると祟られるといった噂が絶えません。
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