「絶対にバックミラーを見てはいけない…」 大阪府北部、能勢町と豊能町の境に位置する野間トンネル(旧野間隧道)。昼間はのどかなツーリングコースとして知られるこの場所は、夜になるとその表情を一変させます。関西最恐クラスの心霊スポットとして名を馳せ、数々の怪奇現象が報告されるこのトンネル。
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「絶対にバックミラーを見てはいけない…」
大阪府北部、能勢町と豊能町の境に位置する野間トンネル(旧野間隧道)。昼間はのどかなツーリングコースとして知られるこの場所は、夜になるとその表情を一変させます。関西最恐クラスの心霊スポットとして名を馳せ、数々の怪奇現象が報告されるこのトンネル。その恐怖の根源は、トンネル近くにかつて存在した「しおき場(処刑場)」にあると言われています。白い服の女の霊、トンネルを追いかけてくる何か、そして車に残された謎の手形…。訪れる者を恐怖のどん底に突き落とす、呪われた隧道へご案内します。
歴史的背景
- 場所の歴史 野間トンネルとして知られる心霊スポットは、正確には「旧野間トンネル」または「野間隧道(のまずいどう)」を指します。昭和12年(1937年)に竣工された、全長約72メートルの煉瓦造りのトンネルです。現在はすぐ隣に新しい野間トンネルが開通しており、旧トンネルは車の往来がほとんどないか、もしくは封鎖されている状態です。かつては地域住民の生活道路として重要な役割を担っていましたが、新トンネルの開通によりその役目を終え、静寂の中に佇んでいます。
- 心霊スポット化の経緯 この地が心霊スポットとして恐れられるようになった最大の理由は、トンネルからほど近い場所にある「しおき場跡」の存在です。ここは江戸時代末期から大正時代にかけて、罪人を処刑した場所と伝えられています。無念の死を遂げた者たちの怨念が、この地に渦巻いていると古くから信じられてきました。 さらに、90年代頃から「女性がトンネル内で焼身自殺した」「暴走族が死亡事故を起こし、その霊が現れる」といった噂が広まり、若者たちの間で肝試しの場所として知れ渡るようになりました。インターネットの普及とともにその恐怖体験は瞬く間に拡散され、関西を代表する心霊スポットとしての地位を不動のものとしました。
怪奇現象・体験談
- 主な現象の種類
- 白い服や白装束の女性の霊:トンネル内や出入口付近で最も多く目撃される霊。すすり泣いている、車を覗き込んでくるなどの報告がある。
- 首のないライダーの霊:バイクで走行中、バックミラーに首のないライダーが映り込み、追いかけてくる。
- 謎の音:トンネル内で女性のすすり泣きやうめき声、叫び声が聞こえる。
- ボンネットの手形:トンネルを通過した後、車のボンネットや窓に無数の手形が付着している。
- 老婆の霊:トンネルの近くを徘徊する老婆の霊が目撃されている。
- 代表的な体験談
- タクシー運転手の恐怖体験 あるタクシー運転手が深夜に野間トンネル付近で、白い服を着た髪の長い女性を乗せた。行き先を尋ねても何も答えず、ただ震えているだけだった。不審に思いバックミラーで様子を窺うと、後部座席にいるはずの女性の姿が消えていた。慌てて車を停めて後部座席を確認したが、濡れたシートだけが残っていたという。
- ボンネットを叩く音 友人たちと車で肝試しに訪れた際、旧トンネルの前で車を停めた。すると突然、「ドン!ドン!」と車のボンネットを力強く叩く音が響き渡った。しかし、車の周囲には誰の姿も見えない。恐怖に駆られて急いでその場を離れ、明るい場所で車を確認すると、ボンネットに泥だらけの大きな手形がいくつも付いていた。
- 追いかけてくるバイク 地元のライダーが深夜、野間トンネルを通過した際、背後から猛スピードで追いかけてくるバイクの気配を感じた。バックミラーを見ると、ヘッドライトも点けずにぴったりと後ろについてくるバイクが映っていた。恐怖でアクセルを全開にして振り切ろうとするが、どうしても離れない。必死で峠道を下り、街の明かりが見えた瞬間に、忽然とバイクの気配は消えていたという。
- 地元の伝承 この地域には、直接的な幽霊譚とは別に、近隣の「しおき場」にまつわる不吉な話が古くから伝わっています。「あの辺りには面白半分で近づいてはいけない」「無念の死を遂げた者の魂が今も彷徨っている」といった話が、地元の一部で語り継がれています。
メディア・文献情報
- テレビ番組での紹介歴 具体的な番組名は多数ありますが、特にABEMAで放送された『ぜにいたち』(#56)では「ガチで出るトンネル」として紹介され、霊能力者が危険を察知するなど大きな反響を呼びました。その他、数々の心霊系ドキュメンタリーやバラエティ番組で取り上げられています。
- 書籍・雑誌での掲載歴 全国の心霊スポットを紹介する多くの書籍や雑誌で、「関西最恐」の一つとして必ずと言っていいほど掲載されています。
- ネット上での話題性 YouTubeには数多くの心霊系YouTuberが検証に訪れた動画が投稿されており、不可解な現象が撮影されたとして話題になることも少なくありません。また、心霊系のまとめサイトや掲示板では、常に「大阪で最も危険な場所」として名前が挙がります。
現地の状況・注意事項
- 現在の建物・敷地の状態 旧野間トンネル(野間隧道)は老朽化が進んでおり、内部は照明がなく真っ暗です。現在はコンクリートブロックなどで固く封鎖されており、内部への立ち入りは物理的に不可能です。新野間トンネルは現在も交通網として利用されており、交通量は昼夜を問わずあります。
- 立入禁止区域の有無 旧トンネルは完全に封鎖されており、立ち入りは禁止されています。フェンスやバリケードを乗り越えての侵入は不法侵入となり、罰せられる可能性があります。
- 安全上の注意点
- 交通事故:現場はカーブの多い峠道です。肝試しに気を取られての交通事故が絶えません。見学の際は必ず安全な場所に停車してください。
- 野生動物:山中に位置するため、イノシシやシカなどの野生動物と遭遇する可能性があります。
- 足場の悪さ:旧トンネル周辺は整備されておらず、夜間は非常に危険です。
- マナー・ルール
- 騒音:深夜に大声で騒ぐ行為は近隣住民の迷惑となります。絶対におやめください。
- 不法投棄:ゴミのポイ捨ては厳禁です。
- 器物損壊:トンネルや周辺施設への落書きや破壊行為は犯罪です。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯・季節 心霊現象を期待するならば日没後となりますが、上記のリスクから訪問は推奨できません。もし訪れるのであれば、歴史的な建造物として旧隧道の姿を確認できる昼間の時間帯に、安全な場所から見学することをお勧めします。
- 周辺の関連スポット
- しおき場跡:野間トンネルの恐怖の根源とされる場所。現在は石碑が立つのみですが、異様な雰囲気が漂っています。
- 野間の大けやき:国の天然記念物に指定されている樹齢1000年以上の大木。心霊スポットとは対照的な、生命力あふれるパワースポットです。心を落ち着かせたい場合に訪れるのも良いでしょう。