人と列車が共存した珍鉄橋に現れる霊「赤川鉄橋(淀川橋梁)」 大阪市東淀川区と都島区を結び、雄大な淀川をまたぐ「赤川鉄橋」。その正式名称は「淀川橋梁」ですが、地元では長年「赤川鉄橋」の愛称で親しまれてきました。かつては貨物列車の線路の隣に木製の歩道が併設された、
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人と列車が共存した珍鉄橋に現れる霊「赤川鉄橋(淀川橋梁)」
大阪市東淀川区と都島区を結び、雄大な淀川をまたぐ「赤川鉄橋」。その正式名称は「淀川橋梁」ですが、地元では長年「赤川鉄橋」の愛称で親しまれてきました。かつては貨物列車の線路の隣に木製の歩道が併設された、全国でも珍しい「人と列車が共存する橋」として知られていましたが、その独特の雰囲気と、ある悲劇的な事件から心霊スポットとしても噂されるようになりました。
心霊スポットとしての赤川鉄橋:鉄骨からぶら下がる人影
この鉄橋が心霊スポットとして語られるようになったのは、過去にこの場所で首を吊って命を絶った人がいた、という話が広まってからです。夕暮れ時や深夜、鉄橋の骨組みからロープでぶら下がっている人影を見た、という目撃談が噂の始まりとされています。鉄道ファンや地元住民にとっては憩いの場であり、貴重な産業遺産でもあるこの橋に、死のイメージが影を落としています。
歴史的背景:人と鉄道の共存から専用鉄道橋へ
赤川鉄橋(淀川橋梁)は、1929年(昭和4年)に城東貨物線の鉄道橋として開通しました。開通当初から、複線化を想定したスペースの片側を、地域住民の利便性のために木製の歩道として開放。以来、約84年間にわたり、すぐ真横を貨物列車が通過するというスリリングな体験ができる歩道橋として、多くの人々に利用されてきました。
しかし、おおさか東線の延伸工事に伴い、この歩道部分は2013年(平成25年)10月31日をもって閉鎖。長年続いた人と鉄道の共存風景は幕を閉じ、現在はJRおおさか東線の専用鉄道橋として新たな役割を担っています。心霊スポットとしての噂は、この歩道があった時代から囁かれており、閉鎖された今もなお語り継がれています。
怪奇現象・体験談:水面に落ちる影と謎のうめき声
赤川鉄橋で報告される怪奇現象は、自殺者の霊に関連すると考えられるものが中心です。
- 鉄骨からぶら下がる霊 最も有名な噂が、橋の鉄骨部分から首を吊った状態でぶら下がっている人影の目撃談です。夕暮れ時にシルエットとして見えたり、深夜にふと見上げるとそこにいたりすると言われています。目撃してしまった人は、原因不明の高熱を出したり、不幸に見舞われたりするとも噂されています。
- 橋から落ちる人影 歩道があった頃、「橋の上から人が落ちていくのが見えた」という証言も複数ありました。驚いて川面を確認しても、人が落ちたような水音も波紋もなく、もちろん誰も浮かんではこなかったといいます。これは、過去に身を投げた人の霊が、自らの最期の瞬間を繰り返し再現しているのではないかと考えられています。
メディア・文献情報:ネット上で語られる都市伝説
赤川鉄橋は、全国区のメディアで心霊スポットとして取り上げられることは稀ですが、その特異な構造と地元の噂から、インターネット上では有名な存在です。
掲示板やSNSでは、歩道があった頃の思い出と共に、「実はあそこは出るらしい」といった形で心霊の噂が語られています。鉄道遺産としての側面に加え、都市伝説的なスパイスが加わることで、ネット上での知名度を保っています。
現地の状況・注意事項:閉鎖された歩道と現役の線路
- 現在の状況 前述の通り、長年親しまれた歩道は完全に閉鎖され、金網で固く封鎖されています。現在はJRおおさか東線の旅客列車が高速で通過する専用の鉄道橋となっており、人が立ち入ることは一切できません。
- 立ち入り禁止区域 橋の内部はもちろん、鉄道敷地内への立ち入りは鉄道営業法で固く禁じられており、非常に危険です。絶対に侵入しないでください。
- 安全上の注意点 橋は遠くから眺めることしかできません。周辺は河川敷公園として整備されていますが、夜間は照明が少なく暗い場所も多いため、一人歩きは避けた方が賢明です。
- マナー・ルール 現在は現役の鉄道路線であり、多くの乗客が利用しています。興味本位で危険な場所に近づいたり、列車運行の妨げになるような行為は絶対にやめましょう。心霊スポットである前に、重要な公共交通インフラであることを忘れてはなりません。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯・季節 心霊スポットとして訪れるのであれば、噂の目撃談が多い夕暮れ時や深夜となりますが、現在は橋に近づくことができないため、その雰囲気を味わうのは難しいかもしれません。日中に、河川敷からその雄大な姿や、電車が通過する様子を眺めるのが安全です。
- 周辺の関連スポット
- 淀川河川公園:広大な河川敷公園で、散歩やサイクリング、スポーツなどを楽しむ人々で賑わいます。
- 菅原城北大橋:赤川鉄橋のすぐ隣に架かる橋。ここから赤川鉄橋の全体像を綺麗に見ることができます。