【滋賀・禁断の廃隧道】旧佐和山トンネル…水没した闇の奥で、“首の折れた男”が手招きしている 滋賀県彦根市、石田三成の居城として知られる佐和山城。その麓に、今はもう使われることなく、土砂と水に満たされた、不気味な廃隧道が口を開けています。「旧佐和山トンネル」。
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【滋賀・禁断の廃隧道】旧佐和山トンネル…水没した闇の奥で、“首の折れた男”が手招きしている
滋賀県彦根市、石田三成の居城として知られる佐和山城。その麓に、今はもう使われることなく、土砂と水に満たされた、不気味な廃隧道が口を開けています。「旧佐和山トンネル」。ここは、戦国の怨念が眠る地に掘られ、トンネルの奥の暗闇から、首が折れ曲がった男の霊が現れるという、滋賀県屈指の心霊スポットです。もし、あなたが水没した通路の先に“何か”を見たとしても、決して近づいてはなりません。
噂される怪奇現象と有名な体験談
土砂と水によって、その先の闇へと進むことを拒まれたこのトンネルでは、閉ざされた向こう側から、数々の怪異が漏れ出してくると噂されています。
- トンネルの奥の闇から、首が不自然な角度に折れ曲がった、男性の霊が姿を現す。
- 水没した水面から、助けを求めるかのように、無数の白い手が伸びてくる。
- 誰もいないはずなのに、壁を内側から激しく叩く音や、複数の人間のうめき声が聞こえる。
- 背後から、濡れた地面を歩くような、不気味な足音がついてくる。
- トンネルに近づくと、急激な頭痛や吐き気、そして強い圧迫感に襲われる。
- 撮影した写真に、おびただしい数のオーブや、水面に浮かぶ人の顔のようなものが写り込む。
最も有名な伝説「“首の折れた男”の霊」
この廃隧道を象徴するのが、「首の折れた男の霊」にまつわる伝説です。その昔、このトンネル、あるいはその周辺で、ある男性が悲惨な事故(一説には転落事故)に遭い、首の骨を折って亡くなってしまいました。
それ以来、彼の無念の魂は成仏できず、首が折れ曲がったままの痛々しい姿で、このトンネルの中を彷徨い続けていると噂されています。「深夜、懐中電灯でトンネルの奥を照らすと、水没した通路の先に、首が真横に折れ曲がった男が立って、こちらに手招きしていた」「トンネルの入口に立った瞬間、耳元で『痛い…』という低い男の声が聞こえ、金縛りにあった」など、あまりにも衝撃的な目撃談が後を絶ちません。
水底からの呼び声
このトンネルのもう一つの恐怖が、入口から数メートル先で、不気味な水が溜まっている「水没地帯」です。この水は、トンネルの奥の闇へと続き、まるで三途の川のようだと恐れられています。
「水面をライトで照らすと、底の方から、白い手が何本も伸びてきて、こちらを掴もうとしていた」「水の中から、大勢の人間がすすり泣く声が聞こえてきた」といった、水にまつわる恐怖体験が数多く報告されています。ここは、このトンネルで命を落とした、あるいは、この土地に眠る数多の魂が、水底の世界へと誘う、この世とあの世の境界なのかもしれません。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
旧佐和山トンネルの成り立ち
「旧佐和山トンネル」、正式名称を「旧佐和山隧道(ずいどう)」と言います。このトンネルは、大正13年(1924年)に、当時の国道8号線のトンネルとして完成しました。冠木門(かぶきもん)を模した美しいポータルを持つ、丁寧な煉瓦(れんが)と石積みで造られた、近代土木遺産としても価値の高い建造物です。
しかし、その後の交通量の増加に対応するため、昭和30年(1955年)に、すぐ隣に新しい「佐和山トンネル」が開通。これにより、旧トンネルは主要道としての役目を終え、やがて完全に封鎖され、水と土砂に埋もれた廃隧道と化していったのです。
心霊スポットになった“きっかけ”
この美しい土木遺産が心霊スポットとなった背景には、「佐和山」という、土地そのものが持つ、血塗られた歴史があります。
このトンネルが貫く佐和山は、ご存知の通り、関ヶ原の戦いで徳川家康に敗れた、石田三成の居城「佐和山城」があった場所です。関ヶ原の敗戦後、佐和山城は東軍の猛攻に遭い、三成の父や兄をはじめ、一族郎党、そして婦女子に至るまで、そのほとんどが討ち死に、あるいは自害するという、壮絶な最期を遂げました。
この**「戦国時代の、おびただしい数の無念の死」**という、土地に深く刻まれた記憶。その真下にトンネルが掘られたことで、眠っていた魂たちが呼び覚まされてしまったのではないか、と噂されています。「首の折れた男」の伝説も、もしかしたら、近代の事故の霊ではなく、この地で散った、名もなき武士の霊なのかもしれません。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
単なる廃隧道が、なぜこれほどまでに人々を恐怖させるのでしょうか。それは、この場所が**「歴史の怨念」と「廃墟の恐怖」**が、完璧に融合した場所だからです。
- 歴史的要因: この場所の恐怖は、石田三成と佐和山城の悲劇という、日本史上屈指の知名度と悲劇性を持つ物語に根差しています。「関ヶ原の敗将」の無念、そして一族郎党が滅び去ったという「滅亡の記憶」。この圧倒的な歴史の重みが、トンネルの心霊譚に、単なる都市伝説ではない、抗いようのない説得力を与えているのです。
- 地理的・環境的要因: 山中に打ち捨てられ、木々に覆われた旧道。そして、その先にあるのは、入口から数メートルで水没し、その先の闇は土砂で閉塞しているという、絶望的な光景。この「封印された行き止まり」と「不気味な水」の組み合わせは、見る者に強烈な圧迫感と、「この先に進めば二度と帰れない」という本能的な恐怖を植え付けます。
- 心理的要因: **「首が折れた男」という、視覚的に極めて衝撃的なイメージ。この先入観を持って、水没した暗いトンネルの奥を覗き込むと、人は自らの想像力で、水面の揺らめきや、壁の染みを、霊の姿として補完してしまいます。「この下には、石田三成の怨念が眠っている」**という知識もまた、ありふれた廃隧道の光景を、歴史の怨念が渦巻く、特別な霊場として認識させてしまうのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【最重要】トンネルは水没・閉塞しており、立入絶対禁止: 旧佐和山トンネルは、入口から10mほどで深く水没しており、その奥は土砂で完全に閉塞しています。内部に立ち入ることは物理的に不可能であり、極めて危険です。
- 廃道・足場不良: トンネルに至る旧道は、管理されていない未舗装路(ダート)であり、ぬかるみや瓦礫が散乱し、足場が非常に悪いです。
- 不法投棄: 周辺には廃車などが不法投棄されており、治安が良い場所とは言えません。
- 野生動物: 周辺は山林であるため、イノシシやシカ、マムシなどの危険な野生動物と遭遇する可能性があります。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に内部に侵入しない: 水没しており、奥は崩落している可能性もあります。興味本位で水に入る、瓦礫を乗り越えるなどの行為は、命に関わる危険な行為です。
- 歴史への敬意を最優先に: この場所は、石田三成をはじめ、戦国時代に散った多くの魂が眠る史跡です。不謹慎な言動や、周辺を荒らす行為は厳に慎んでください。
- 夜間の訪問は避ける: 夜間は完全な暗闇と化し、物理的な危険性が格段に高まります。
- 単独行動は避ける: 万が一の事故に備え、単独での訪問は絶対に避け、複数人で行動してください。
まとめ
旧佐和山トンネルは、戦国の悲劇と、近代の廃墟の哀愁が、不気味な水底で溶け合う場所です。その封印された闇の向こう側で蠢いているのは、本当に首の折れた男の霊なのでしょうか。それとも、400年の時を超えて、今もなお主君の帰りを待つ、石田家の家臣たちの魂なのでしょうか。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 佐和山城跡: 旧佐和山トンネルのすぐ上にある山城跡。石田三成と家臣たちが最期を遂げた場所であり、夜間に登ると武士の霊に遭遇する、すすり泣きが聞こえるといった噂が絶えません。ハイキングコースとして整備されています。
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