滋賀県彦根市、かつて石田三成の居城であった佐和山城の麓を貫く「旧佐和山トンネル」。現在は新しいトンネルの開通により、その存在を知る者も少なくなりました。しかし、この短いトンネルには、関ヶ原の戦いで散った武士たちの無念の魂が今も彷徨い、訪れる者に数々の怪奇現象を体験させると噂されています。
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滋賀県彦根市、かつて石田三成の居城であった佐和山城の麓を貫く「旧佐和山トンネル」。現在は新しいトンネルの開通により、その存在を知る者も少なくなりました。しかし、この短いトンネルには、関ヶ原の戦いで散った武士たちの無念の魂が今も彷徨い、訪れる者に数々の怪奇現象を体験させると噂されています。
噂される怪奇現象と有名な体験談
- トンネル内で、甲冑をまとった落ち武者の霊が複数目撃される。
- 血まみれの女性の霊がトンネルの壁から現れ、追いかけてくる。
- 存在しないはずの白い車に、猛スピードで追いかけられる。
- 深夜、トンネルの中から武士たちの叫び声や、刀がぶつかり合う音が聞こえる。
- トンネル内で写真を撮ると、無数のオーブや甲冑姿の人影が写り込む。
- 車のエンジンがかからなくなる、ライトが消えるなどの機材トラブルが多発する。
無念の落ち武者たちとの遭遇
旧佐和山トンネルで最も多く語られるのが、落ち武者の霊です。トンネルの中ほどまで進むと、壁際や暗がりに甲冑をまとった武士の霊が数人立っているのが目撃されると言われています。彼らは一様にうつむき、苦悶の表情を浮かべているとされ、関ヶ原の戦いで敗れ、この地で命を落とした石田三成の家臣たちではないかと噂されています。
謎の白い車による追跡
このトンネルならではの怪談として、「白い車」の噂が非常に有名です。夜間に車でトンネルを通過すると、どこからともなく一台の白い車が現れ、猛スピードで背後から煽り立ててくるというものです。恐怖に駆られてトンネルを抜けると、その白い車は跡形もなく消え去っていると言います。この車の正体は不明ですが、この地で事故死した人の霊が、自分の存在に気づかせようとしているのではないか、と囁かれています。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
旧佐和山トンネルの成り立ち
旧佐和山トンネルは、1889年(明治22年)に完成した、東海道本線の鉄道トンネルでした。全長約244メートルで、当時は日本の鉄道技術の粋を集めて建設された重要なトンネルでした。その後、1956年(昭和31年)に新しい佐和山トンネルが完成して線路が複線化されたことに伴い、旧トンネルは鉄道としての役目を終え、道路トンネルとして転用されることになりました。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとして知られるようになったのは、トンネルが貫く「佐和山」が持つ、血塗られた歴史が最大の要因です。佐和山は、安土桃山時代に石田三成の居城「佐和山城」があった場所です。1600年の関ヶ原の戦いで西軍が敗れた後、佐和山城は東軍の猛攻を受け、わずか一日で落城。三成の父や兄、そして多くの家臣たちが城と運命を共にしました。この「落城の悲劇」と、古く薄暗いトンネルの雰囲気が結びつき、「無念の死を遂げた武士の霊が彷徨う場所」として、心霊スポットの評判が確立されていったのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 立入禁止の状況: 2012年頃から、トンネルの両出入り口は頑丈なコンクリートブロックで完全に封鎖されています。内部に立ち入ることは物理的に不可能です。(2025年8月時点)
- 道の状態: トンネルに至るまでの道は狭い旧道ですが、一応舗装はされています。しかし、管理状態は良くありません。
- 危険箇所: 封鎖されているため、内部の崩落状況などは不明です。絶対に封鎖を乗り越えたり破壊したりしないでください。
- その他: 周辺は山林と住宅地が混在しています。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 不法侵入は犯罪です: 繰り返しになりますが、トンネル内部への立ち入りは不可能です。封鎖されている場所への侵入は住居侵入罪などの犯罪行為にあたります。
- 近隣住民への配慮: 付近には民家があります。深夜に訪れて騒いだり、路上駐車したりする行為は、近隣住民の多大な迷惑となります。
- 歴史への敬意: この場所は、戦国時代の悲劇が眠る歴史的な場所です。もし訪れるのであれば、亡くなった武士たちへの敬意を払い、静かにその場の雰囲気を感じるに留めるべきです。
まとめ
旧佐和山トンネルは、関ヶ原の戦いで散った石田家の家臣たちの無念と、明治時代に作られたトンネルの持つ独特の雰囲気が融合して生まれた心霊スポットです。現在は完全に封鎖されており、その内部に入ることは叶いませんが、日本の歴史の悲しい一面を今に伝える場所として、その存在は記憶されるべきでしょう。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 佐和山城跡: 旧佐和山トンネルのすぐ上にある山城跡。石田三成と家臣たちが最期を遂げた場所であり、夜間に登ると武士の霊に遭遇する、すすり泣きが聞こえるといった噂が絶えません。ハイキングコースとして整備されています。
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