【静岡・禁断の洞窟】バンバ穴…鬼婆が人を喰らった、富士の麓の“骸骨穴” 世界文化遺産・富士山の麓、広大な青木ヶ原樹海の近くに、その名を聞くだけで背筋が凍る、禁断の洞窟が存在します。「バンバ穴」、あるいは「婆々穴(ばばあな)」。
...
【静岡・禁断の洞窟】バンバ穴…鬼婆が人を喰らった、富士の麓の“骸骨穴”
世界文化遺産・富士山の麓、広大な青木ヶ原樹海の近くに、その名を聞くだけで背筋が凍る、禁断の洞窟が存在します。「バンバ穴」、あるいは「婆々穴(ばばあな)」。ここは、その昔、旅人を襲っては喰らう恐ろしい鬼婆が棲んでいたと伝えられる場所。今もなお、洞窟の奥の暗闇からは、犠牲者たちのうめき声と、骨をすする音が聞こえてくるという…。
噂される怪奇現象と有名な体験談
古くからの伝説が、今もなお生々しく息づくこの場所では、そのおぞましい物語を裏付けるかのような、数々の心霊現象が報告されています。
- 洞窟の奥から、老婆の不気味な笑い声や、「こっちへおいで」と手招きする声が聞こえる。
- 白い着物を着た老婆の霊が、洞窟の入口や、周辺の森を徘徊している。
- 誰もいないはずなのに、洞窟の中から、何か硬いもの(骨とされる)をガリガリとすり潰すような音が聞こえる。
- 洞窟の近くにいると、急激な吐き気や頭痛、そして誰かに監視されているような強い視線を感じる。
- 車で訪れると、帰り道で必ず道に迷う、あるいは原因不明の車のトラブルに見舞われる。
- 撮影した写真に、おびただしい数のオーブや、洞窟の暗がりに浮かぶ老婆の顔が写り込む。
最も有名な伝説「旅人を喰らう鬼婆」
このバンバ穴を、富士山麓でも屈指の危険な心霊スポットたらしめているのが、この「鬼婆伝説」です。その昔、この洞窟には、旅人を襲っては身ぐるみを剥ぎ、その肉を喰らうという、恐ろしい老婆が棲んでいました。
老婆は、夜な夜な洞窟の前に現れ、道に迷った旅人を親切なふりをして洞窟の中へと誘い込み、二度と外へは出しませんでした。洞窟の奥には、これまで犠牲となった人々の、夥しい数の骸骨が積み上げられていたと言います。そのため、この穴は別名「骸骨穴」とも呼ばれ、面白半分で近づく者は、新たな骸骨としてコレクションに加えられてしまうと恐れられています。
洞窟からの呼び声
この場所のもう一つの恐怖が、洞窟の暗闇から聞こえてくるという「声」です。それは、鬼婆が次の獲物を誘い込むための声であるとも、あるいは、犠牲となった旅人たちの魂が、助けを求めて発する声であるとも言われています。
「固く閉ざされた洞窟の入口に耳をつけると、奥から『早くこっちへ来なさい』という、老婆のしゃがれた声が聞こえてきた」「『助けて…』というか細い声が聞こえ、声のする方へ近づきそうになったが、友人に強く腕を引かれ、我に返った」など、訪れる者の正気を失わせるような、極めて危険な体験談が後を絶ちません。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
バンバ穴の成り立ち
「バンバ穴」は、富士山の火山活動によって形成された、数ある溶岩洞窟の一つです。その名の由来は、「婆(ばば)」が訛って「バンバ」となったとされ、古くからこの地に「鬼婆伝説」が存在したことを示唆しています。
洞窟は、鬱蒼とした森の中に、ぽっかりと口を開けており、その内部は狭く、人が這って進まなければならないような場所もあると言います。古くは、修験者などが修行の場として利用した可能性も考えられます。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとなった背景には、「鬼婆伝説」という、極めて日本的で古い、民俗学的な怪談の存在があります。
もちろん、鬼婆が旅人を喰っていたという話は、史実ではなく、あくまで伝説です。 しかし、かつての富士山麓は、広大な原生林が広がる、一度迷い込めば二度と出られない、危険な場所でした。実際に、旅人が道に迷ったり、あるいは追い剥ぎに襲われたりして、命を落とすことも少なくなかったと言われています。
そうした、原生林に潜む現実の「危険」が、「鬼婆」という、恐怖の象徴として擬人化され、道端の不気味な洞窟と結びついたのです。これは、単なる幽霊譚ではなく、「安易に森の奥深くへ立ち入ってはならない」という、先人たちの強い戒めが込められた物語でもあるのです。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
単なる小さな洞窟が、なぜこれほどまでに恐ろしい心霊スポットとして語られるのでしょうか。それは、この場所が**「昔話の恐怖」**を、現代にそのままの形で伝えているからです。
- 歴史的要因/民俗学的要因: この場所の恐怖は、近代的な事件や事故の噂とは一線を画します。その根底にあるのは、「山姥(やまんば)」や「鬼婆」といった、日本の妖怪文化を代表する存在です。「人を喰らう」という、最も根源的で野性的な恐怖。それは、我々の心の奥底に眠る、文明化される以前の「闇への畏怖」を直接的に刺激します。
- 地理的・環境的要因: 富士山の麓、青木ヶ原樹海にも近いという、日本最大級の霊場のエネルギーが及ぶ立地。そして、鬱蒼とした森の中に、ぽっかりと口を開ける、暗く、狭い洞窟。この**「森」と「穴」という組み合わせ**は、神隠しや異界への入り口を連想させる、怪談の王道とも言える舞台装置です。
- 心理的要因: 「鬼婆が人を喰う」という物語は、非常にシンプルでありながら、強烈なイメージを伴います。この先入観を持って洞窟の前に立つと、人は自らの想像力で、洞窟の奥に積み上げられた骸骨や、獲物を待ち構える鬼婆の姿を思い描いてしまいます。**「覗き込んではいけない」**と言われると、かえって覗き込みたくなる人間の心理。その禁忌を犯すスリルと、その先に待つかもしれない破滅への恐怖が、この場所をより一層、魅力的な心霊スポットにしているのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【重要】洞窟内部は立入禁止: バンバ穴は、落盤の危険性が非常に高いため、入口はコンクリートと鉄格子で固く封鎖されており、内部に立ち入ることは絶対にできません。
- 史跡への不法侵入: 柵を乗り越えて侵入しようとする行為は、不法侵入にあたる犯罪行為であり、極めて危険です。
- 周辺は樹海: 周辺は富士山の原生林(青木ヶ原樹海)が広がっています。遊歩道を外れて森に立ち入ると、磁場の異常などで方向感覚を失い、遭難する危険性が非常に高いです。
- 野生動物: 周辺には、熊などの危険な野生動物も生息しています。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に内部に侵入しない: 鉄格子の前で、その場の空気を感じるに留めてください。
- 伝説への敬意: この場所に眠る古い伝説と、そこで亡くなったとされる人々への敬意を忘れず、不謹慎な言動は厳に慎んでください。
- 樹海に踏み入らない: 肝試し気分で青木ヶ原樹海に立ち入ることは、自殺を疑われ警察に通報されるだけでなく、遭難の危険もある、極めて愚かで危険な行為です。
- 単独行動は避ける: 周辺は携帯電話の電波が届きにくい場所もあります。万が一の事態に備え、単独での訪問は避けてください。
まとめ
バンバ穴の伝説は、大自然への畏怖と、そこに潜む闇への恐怖を、我々に教えてくれます。鉄格子の向こうで蠢いているのは、本当に鬼婆の魂なのでしょうか。それとも、禁断の扉を開けようとする、我々自身の心の闇なのかもしれません。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 人穴(ひとあな) バンバ穴と同じく、富士宮市の富士山麓に存在する、もう一つの禁断の洞窟。こちらは、富士講の開祖が入滅したとされる、極めて神聖な信仰の聖地です。しかし、その洞窟の奥もまた、冥界に繋がっていると言われ、修行者の霊や武士の亡霊が彷徨う、日本屈指の霊場として知られています。
[詳細はこちら→]
あなたの体験談を教えてください(口コミ・レビュー)