【富山・解体済】坪野鉱泉…“神隠し”の記憶、少女2名が消えた呪いの廃ホテル 富山県魚津市の山中に、かつて北陸最恐と謳われ、日本中を震撼させた巨大な温泉ホテルの廃墟がありました。「坪野鉱泉(つぼのこうせん)」。ここは、数々の心霊現象が噂されるだけでなく、1996年に、
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【富山・解体済】坪野鉱泉…“神隠し”の記憶、少女2名が消えた呪いの廃ホテル
富山県魚津市の山中に、かつて北陸最恐と謳われ、日本中を震撼させた巨大な温泉ホテルの廃墟がありました。「坪野鉱泉(つぼのこうせん)」。ここは、数々の心霊現象が噂されるだけでなく、1996年に、肝試しに訪れた19歳の少女二人が、車ごと忽然と姿を消した、**“現実の未解決失踪事件”**の舞台です。今はもうその姿を消した呪いの館に、彼女たちの声なき声は、今も響いているのでしょうか。
噂される怪奇現象と有名な体験談
“神隠し”の記憶が渦巻くこの場所では、その悲劇を裏付けるかのような、数々の心霊現象が報告されていました。
- 深夜、失踪したとされる少女二人の霊が、館内を彷徨っている。
- 誰もいないはずの客室や廊下から、「助けて」という女性の声や、子供の足音が聞こえる。
- 霊能力者の宜保愛子氏が「入ってはいけない」と警告した、特に危険な部屋が存在した。
- 敷地内にある薬師堂の周辺で、白い霧や、正体不明の人影が目撃される。
- 敷地内に足を踏み入れると、急激な頭痛や吐き気、そして強い悪寒に襲われる。
- 撮影した写真に、おびただしい数のオーブや、窓からこちらを覗く顔が写り込む。
最も有名な伝説「消えた二人の少女」
この廃墟を、単なる心霊スポットではない、特別な畏怖の対象たらしめているのが、**平成8年(1996年)5月5日に、実際に起きた「坪野鉱泉女性失踪事件」**です。
当時19歳だった二人の女性が、「肝試しに行く」と言って、この坪野鉱泉の廃墟を訪れたのを最後に、乗っていた車と共に、忽然と消息を絶ちました。警察による大規模な捜索も虚しく、二人の行方は長らく不明のままでしたが、失踪から24年後の2020年、射水市の海王丸パークで発見された車内から、二人のものとみられる人骨が発見されました。事件の真相は、今もなお、深い謎に包まれています。
このあまりにも有名で、悲劇的な未解決事件が、この廃墟に、フィクションではない、本物の恐怖を与えているのです。
宜保愛子氏が拒絶した部屋
この場所の霊的な危険性を物語る、もう一つの有名な逸話が、かの高名な霊能力者・宜保愛子氏にまつわるものです。かつてテレビ番組のロケでこの地を訪れた宜保氏は、ある一つの部屋の前で立ち尽くし、「ここには入れない。あまりにも危険すぎる」と言って、中に入ることを固く拒絶したと言います。
その部屋こそ、失踪した少女たちが最後に向かった場所ではないか、あるいは、この廃墟に渦巻く全ての怨念の根源となる“何か”が潜んでいる場所ではないか、と噂されるようになりました。
この場所に隠された歴史と呪われた背景
坪野鉱泉の成り立ち
「坪野鉱泉」は、富山県魚津市の坪野地区に存在した温泉旅館です。その歴史は古く、明治時代には湯治場として開かれ、昭和31年(1956年)からは「ホテル坪野」として、本格的な温泉宿として営業していました。「金性」と呼ばれる珍しい炭酸水が湧き出ることで知られ、当時は多くの宿泊客で賑わっていました。
しかし、その後の経営不振により、昭和57年(1982年)に廃業。その後、再利用されることもなく、40年近くにわたって巨大な廃墟として放置され、その不気味な姿と、後述する事件によって、北陸最恐の心霊スポットとして知られるようになりました。
心霊スポットになった“きっかけ”
この場所が心霊スポットとして決定的な地位を築いたのは、**1996年に起きた「女性二人失踪事件」**です。
これは単なる噂や都市伝説ではありません。実際に二人の若い女性が、この場所を訪れたのを最後に、長年、行方不明となっていた、動かしがたい事実です。
この「神隠し」としか思えない不可解な未解決事件が、元々「廃墟」という場所が持つ不気味な雰囲気と結びつき、「彼女たちは霊に連れ去られたに違いない」という、極めて強力で説得力のある心霊譚を生み出したのです。宜保愛子氏の逸話や、その後のホラー映画『牛首村』(2022年)の舞台となったことも、その知名度を全国区へと押し上げる大きな要因となりました。
【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか
今はもう存在しないこの廃墟は、なぜこれほどまでに人々を恐怖させたのでしょうか。それは、この場所の恐怖が、**“未解決”**であるという、一点に集約されるからです。
- 歴史的要因: この場所の恐怖は、「1996年の失踪事件」という、結末は示されたものの、真相は今もなお闇に包まれた、現実のミステリーに根差しています。古戦場の霊や、過去の自殺者の霊とは異なり、「彼女たちに何があったのか」という、**“解明されない死”**が、人々の想像力を掻き立て、底知れない不安と恐怖を生み出しているのです。
- 地理的・環境的要因: (廃墟であった当時)人里離れた山中に孤立し、木々に飲み込まれるようにして建つ、巨大な温泉旅館の廃墟。この**「隔絶された」**ロケーションが、「神隠し」という物語に、完璧な舞台装置を提供していました。一度足を踏み入れたら、二度と出られないのではないか。その本能的な恐怖を、視覚的に訴えかけてくる場所でした。
- 心理的要因: **「未解決事件の現場」という、動かしがたい事実を知って訪れると、人は自らの五感を極限まで研ぎ澄ませます。風の音を「少女のすすり泣き」と、建物の軋む音を「助けを求める声」と、そして暗がりの影を「犯人の姿」と、脳が積極的に事件の記憶と結びつけてしまいます。ここで感じる恐怖は、単なる霊への恐怖ではなく、「自分もまた、彼女たちのように消えてしまうのではないか」**という、極めてリアルなサスペンスなのです。
探索の注意点
現在の状況と物理的な危険性
- 【最重要】建物は全て解体済み: 心霊スポットとしてあまりにも有名になった「坪野鉱泉(ホテル坪野)」ですが、老朽化による倒壊の危険性などから、2022年より解体工事が開始され、2024年春時点では完全に更地になっています。
- 跡地は再整備計画あり: 跡地は、今後、展望台などが設置される公園として再整備される計画があります。
- 私有地・立入禁止: 跡地は現在も私有地であり、関係者以外の立ち入りは固く禁じられています。入口には「立入禁止」の看板や、防犯カメラが設置されています。
- 薬師の水: 敷地内にあった「薬師の水」と呼ばれる湧水は、現在も汲むことができる状態で残されています。
訪問時の心構えと絶対的なルール
- 絶対に不法侵入しない: 建物はもう存在せず、跡地は管理された私有地です。興味本位で立ち入ることは、住居侵入罪(建造物等侵入罪)にあたる犯罪行為です。
- ネットの古い情報を鵜呑みにしない: 現在も廃墟が存在するかのような古い情報や動画を信じて、無駄足を踏まないようにしてください。
- 失踪した二人への配慮: この場所は、痛ましい事件の現場です。面白半分の言動は、故人とご家族の心を深く傷つけます。もし訪れるのであれば、静かに彼女たちの冥福を祈ってください。
まとめ
坪野鉱泉の物語は、一つの廃墟が、現実の未解決事件と結びつくことで、計り知れない恐怖を生み出してしまった、現代の悲劇です。廃墟が解体された今、そこに残された謎が、完全に解き明かされる日は、果たして来るのでしょうか。
このスポットの近くにある、もう一つの恐怖
- 白倉トンネル(しらくらとんねる) 坪野鉱泉跡地のある魚津市に存在する、もう一つの有名な心霊トンネル。トンネル内で焼身自殺やカップル心中があったと噂され、通過する者の携帯電話に、霊からの“無言電話”がかかってくるという、あまりにも有名な怪談を持つ場所です。
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