窓の手形が消えない…和歌山市の歓楽街にそびえる「ブラックビル」 和歌山県和歌山市の中心部、多くの飲食店やスナックがひしめく歓楽街「あろち」に、周囲の喧騒とは対照的に、死んだように静まり返った黒いビルがそびえ立っています。通称「ブラックビル」。
...
窓の手形が消えない…和歌山市の歓楽街にそびえる「ブラックビル」
和歌山県和歌山市の中心部、多くの飲食店やスナックがひしめく歓楽街「あろち」に、周囲の喧騒とは対照的に、死んだように静まり返った黒いビルがそびえ立っています。通称「ブラックビル」。かつては多くの人々で賑わったであろうこの雑居ビルは、内部で起きたとされる凄惨な殺人事件と自殺の噂によって、和歌山県で最も有名で、そして最も近づいてはならない心霊スポットの一つとして知られています。
心霊スポットとしてのブラックビル:殺人、自殺、暴力団の影
このビルが心霊スポットとして恐れられる理由は、この場所で起きたとされる、あまりにも生々しい複数の「死」の記憶にあります。一つは、ビルに入っていた店の女性経営者(あるいは従業員)が、経営を苦にビルの一室で首を吊って命を絶ったという噂。そしてもう一つが、暴力団の抗争に絡む殺人事件が起き、男性が殺害されたという噂です。歓楽街の光と影、その全てを飲み込んだこの黒いビルには、成仏できない二つの魂が、今もなお彷徨い続けていると言われています。
歴史的背景:歓楽街の栄華と衰退の象徴
ブラックビルは、昭和の時代に、スナックやバーなどが入居する雑居ビルとして建てられました。当時は和歌山最大の歓楽街「あろち」の中心的な建物の一つとして、夜な夜な多くの人々で賑わっていたと伝えられています。
しかし、時代の流れと共に歓楽街の活気は失われ、ビルに入っていたテナントも次々と撤退。やがてビルは完全に廃墟と化し、その黒ずんだ不気味な外観から「ブラックビル」と呼ばれるようになりました。心霊スポットとしての噂が広まったのは、廃墟となってからです。「女性が首を吊った」「ヤクザが殺された」といった、いかにも歓楽街の裏側で起きていそうな事件の噂が、ビルの異様な雰囲気と相まって信憑性を持ち、若者たちの間で有名な肝試しスポットとなっていきました。
怪奇現象・体験談:窓から助けを求める無数の手形
廃墟となったビル内部や周辺では、数々の恐ろしい怪奇現象が報告されています。
- 窓に浮かび上がる無数の手形 このビルを象徴する最も有名な怪奇現象です。ビルの窓ガラスに、内側から助けを求めるかのように、無数の手形がびっしりと浮かび上がって見えると言います。この手形は、警察が拭き取っても、次の日にはまた現れるという不気味な話も伝わっています。
- 首を吊った女性の霊 女性が自殺したとされる部屋や廊下で、首を吊った状態の女性の霊が目撃されています。また、誰もいないはずなのに、女性のすすり泣く声が聞こえてくるという体験談も後を絶ちません。
- 殺害された男性の霊 暴力団の抗争で殺されたとされる男性の霊も、ビルの中を徘徊していると言われています。侵入者に対して強い敵意を持っているとされ、遭遇すると呪われると恐れられています。
- 屋上の人影 ビルの屋上に人影が見え、こちらをじっと見下ろしている、あるいは飛び降りる素振りを見せる、といった目撃談もあります。
現地の状況・注意事項:不法侵入厳禁!歓楽街のど真ん中に立つ危険な廃墟
- 現在の状況 建物は完全に廃墟化しており、長年の雨風と不法侵入者による破壊行為によって、著しく荒廃しています。窓ガラスは割れ、内部はゴミが散乱し、いつ崩落してもおかしくない極めて危険な状態です。
- 立ち入り禁止区域 このビルは私有地であり、敷地内への立ち入りは固く禁じられています。無断で侵入する行為は刑法の不法侵入にあたる犯罪行為です。入り口は厳重に封鎖されています。
- 安全上の注意点 不法侵入という法的なリスクに加え、建物の崩落リスクが非常に高いです。また、歓楽街という場所柄、深夜の治安にも注意が必要です。
- マナー・ルール 「絶対に立ち入らないこと」。これが唯一にして絶対のルールです。公道から外観を見る際も、周辺の店舗や住民の迷惑にならないよう、静かに行動してください。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 この場所への訪問(敷地内への侵入)は、いかなる理由があっても絶対に推奨しません。歓楽街のネオンの中に、漆黒のシルエットとして浮かび上がるその姿は、公道から見るだけでも十分に不気味です。