「ラピュタの島」に響く軍靴の響き…旧日本軍が眠る「友ヶ島」 和歌山県和歌山市、紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島(ともがしま)」。その中でも一般人が上陸できる沖ノ島は、豊かな自然と、明治時代に築かれた赤レンガ造りの砲台跡が織りなす幻想的な風景から、
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「ラピュタの島」に響く軍靴の響き…旧日本軍が眠る「友ヶ島」
和歌山県和歌山市、紀淡海峡に浮かぶ無人島群「友ヶ島(ともがしま)」。その中でも一般人が上陸できる沖ノ島は、豊かな自然と、明治時代に築かれた赤レンガ造りの砲台跡が織りなす幻想的な風景から、まるでアニメ映画『天空の城ラピュタ』の世界のようだと、多くの観光客で賑わう絶景スポットです。しかし、その美しい姿の裏には、旧日本軍の兵士たちの魂が今もなお島を守り続けているという、荘厳で物悲しい心霊スポットとしての一面も持っています。
心霊スポットとしての友ヶ島:兵士の魂が帰還する要塞島
この島が心霊スポットとして語られる理由は、島全体が「軍事要塞」であったという、その特殊な歴史にあります。大阪湾を防衛する国家の重要拠点として、多くの兵士たちがここで厳しい任務に就いていました。実際に戦火を交えることはなかったとされていますが、国を守るという強い使命感や、故郷を思う気持ち、そして島での厳しい生活の中で亡くなった兵士の無念が、この地に強く残り、成仏できない霊となって現れると考えられています。
歴史的背景:大阪湾を守った由良要塞
友ヶ島の砲台群は、明治時代中期、外国からの攻撃に備えて大阪湾を防衛する「由良要塞」の最重要拠点として建設されました。島内には、今も第1から第5までの砲台跡が点在し、中でも最も規模が大きく保存状態も良い「第3砲台跡」は、その象徴的な存在です。赤レンガで造られた弾薬庫や兵舎、司令塔跡が、100年以上の時を経た今も、深い森の中にほぼ完全な形で残されています。
第二次世界大戦の終結と共に、この要塞は役目を終え、武装解除されました。その後、長らく忘れられた無人島となっていましたが、その神秘的な雰囲気が口コミで広まり、現在では一大観光地となっています。しかし、夜の闇ではなく、昼間の明るい光の中にさえ、兵士たちの魂が帰る場所としての、厳粛な空気が漂っています。
怪奇現象・体験談:闇に響く軍靴の音と兵士の霊
この島では、旧日本軍の兵士とされる霊に関連する、数々の怪奇現象が報告されています。
- 兵士の霊の目撃談 この場所を象徴する最も有名な怪奇現象です。砲台跡の暗く長いトンネルや、弾薬庫の中で、旧日本軍の軍服を着た兵士の霊が、直立不動でこちらを見ていたり、複数人で隊列を組んで行進していたりする姿が目撃されています。
- 暗闇から聞こえる軍靴の音や声 光が一切届かない弾薬庫の内部から、「ザッ…ザッ…」という行進する軍靴の音や、兵士たちの話し声、号令などが聞こえてくるという体験談も後を絶ちません。
- 写真の異変 この場所で撮影された写真には、兵士の霊と思われる人影や、無数のオーブが写り込むことが多いと言われています。
現地の状況・注意事項:美しい観光地と危険な廃墟
- 現在の状況 友ヶ島は、現在、和歌山市営の観光船で渡ることができる人気の観光地です。島内には遊歩道やキャンプ場も整備されています。しかし、砲台跡の遺構は100年以上前の建造物であり、老朽化が進んでいる場所も多くあります。
- 立ち入り禁止区域 砲台跡の遺構は歴史的価値が高いものです。崩落の危険がある場所には、立ち入り禁止の表示がありますので、絶対に従ってください。
- 安全上の注意点 砲台跡のトンネルや弾薬庫の内部は、照明が一切なく完全な暗闇です。強力な懐中電灯は必須です。足元は舗装されておらず、非常に危険ですので、歩きやすい靴で訪れてください。また、島には売店などがないため、飲み物は事前に準備が必要です。
- マナー・ルール ここは国のために生きた兵士たちが眠る、いわば墓所のような場所です。肝試し目的であっても、大声で騒いだり、ゴミを散らかしたり、遺構を破壊したりする行為は厳禁です。静かに、そして全ての魂への敬意と畏怖の念をもって訪れてください。
訪問のポイント
- おすすめの時間帯 島へは日中のフェリーでしか渡れないため、夜間の訪問は不可能です。しかし、昼間でも砲台跡のトンネル内部は完全な暗闇であり、その恐怖は十分に味わうことができます。
- 周辺の関連スポット
- 加太砲台跡 友ヶ島と同じく「由良要塞」の一部を構成した、対岸の和歌山市加太にある砲台跡。こちらも兵士の霊の目撃談が絶えない、セットで語られることが多い心霊スポットです。
▶︎ 「加太砲台跡」の詳細はこちらから
- 淡嶋神社 加太港のすぐ近くにある、数万体の人形が境内を埋め尽くす全国的にも有名な心霊神社。髪が伸びる人形の伝説はあまりにも有名です。
▶︎ 「淡嶋神社」の詳細はこちらから