【山梨・最恐廃病院】西甲府病院…霊安室から響く呻き声、隔離された結核患者の怨念

山梨県甲府市の山宮町、市街地を見下ろす丘の上に、かつて結核患者を隔離したという、巨大な廃病院が静かに眠っています。「西甲府病院」。その荒廃した病棟には、今もなお、ここで孤独な最期を迎えた患者たちの魂が彷徨い、霊安室や地下からは、この世ならざる呻き声が響いてくると噂されています。

噂される怪奇現象と有名な体験談

“死”と最も隣接した場所であった病院。その廃墟では、行き場を失った魂たちの仕業とされる、数々の心霊現象が報告されています。

• 深夜、霊安室や地下室から、低い老爺のうめき声や、「助けて」という声が聞こえる。
• 誰もいないはずの廊下を、ナース服を着た女性の霊や、患者の霊が徘徊している。
• 誰もいないのに、病室のドアが激しく開閉したり、物が飛んできたりする（ポルターガイスト現象）。
• 敷地内に足を踏み入れると、急激な頭痛や吐き気、そして誰かに見られているような強い視線を感じる。
• 霊感の強い人が、車椅子に乗った霊と遭遇し、失神してしまったという噂がある。
• 撮影した写真に、おびただしい数のオーブや、窓からこちらを覗く顔が写り込む。

最も有名な伝説「霊安室と地下に潜む“何か”」

この廃病院を、山梨県屈指の心霊スポットたらしめているのが、「霊安室」と「地下室」にまつわる、あまりにも生々しい伝説です。ここは、かつて亡くなった患者が最後に安置された場所、あるいは、人知れず“何か”が行われていた場所と噂されています。

「深夜、肝試しに霊安室の扉を開けると、暗闇の中に、うずくまる老爺の霊と目が合った」「地下室へ続く階段を降りようとしたら、下から『来るな』という低い男の唸り声が響き渡り、金縛りにあった」など、この病院の最も暗い部分に、特に強い怨念が渦巻いていることを感じさせる、強烈な恐怖体験が数多く報告されています。

彷徨えるナースと患者たち

この場所には、特定の霊だけでなく、かつてこの病院にいたであろう、様々な人々の霊が目撃されています。

「誰もいないはずのナースステーションで、電話の鳴る音が響き渡った」「長い廊下の突き当りを、白い影（ナースの霊か）がすーっと横切っていった」「病室の窓の一つに、こちらを無表情で見つめる、患者らしき男の顔が浮かんでいた」といった体験談が絶えません。彼らは、自らが死んだことに気づかず、今もこの廃病院で、終わらない入院生活を送っているのでしょうか。

この場所に隠された歴史と呪われた背景

西甲府病院の成り立ち

「西甲府病院」は、その前身である**「国立療養所山梨清楽荘」**として、昭和18年（1943年）に、結核療養所として設立されたのが始まりです。当時は不治の病と恐れられた結核患者を、市街地から離れたこの場所に隔離し、治療を行うための施設でした。

戦後、厚生省に移管され「国立療養所西甲府病院」と改称。結核医療の拠点としてだけでなく、一般内科の診療も行うなど、地域の医療を支えてきました。しかし、医療体制の変化に伴い、平成16年（2004年）に、甲府市内の国立病院機構甲府病院と統合される形で、その長い歴史に幕を下ろしました。

心霊スポットになった“きっかけ”

この場所が心霊スポットとなった背景には、**「結核療養所（隔離病棟）」**という、その成り立ちそのものが持つ、悲劇的なイメージがあります。

この病院で、噂の元となるような、特定の陰惨な殺人事件や、集団自殺があったという公的な記録はありません。

しかし、かつて「結核」が死の病であった時代。家族や社会から引き離され、この山の上で、故郷を思いながら孤独な最期を迎えた患者が、実際に数多く存在したことは、歴史的な事実です。

この**「おびただしい数の、孤独な死」**の記憶。その無念の魂が、この土地に深く刻み込まれている。そう信じられるようになったことが、この場所が強力な心霊スポットとなった、最大のきっかけです。廃墟と化した後、不法侵入や不審火が相次ぎ、その荒廃した姿が、より一層、その不気味な噂にリアリティを与えていったのです。

【管理人の考察】なぜこの場所は恐れられるのか

単なる廃病院が、なぜこれほどまでに人々を恐怖させるのでしょうか。それは、この場所が**「社会から隔離された、死の記憶」**を、あまりにも生々しく我々に見せつけるからです。

• 歴史的要因： この場所の恐怖は、**「結核」**という、かつて日本中を覆った“リアルな死の恐怖”の記憶に根差しています。今でこそ治療法が確立された病も、当時は死の宣告に等しいものでした。家族と会うことも許されず、社会から存在を抹消されたかのように、この場所で孤独に死んでいった人々の無念。その歴史の真実が、この廃墟に、他のどんな場所にもない、深く、そして重い負のオーラを与えているのです。
• 地理的・環境的要因： 市街地を見下ろす、山の上という「隔絶された」ロケーション。夜になれば、街の夜景という「生」の光と、廃墟の「死」の闇という、強烈なコントラストが生まれます。広大な敷地に点在する病棟群は、一度迷い込むと出られない迷宮のようでもあり、訪れる者の不安を煽ります。
• 心理的要因： 「病院」は、多くの人々が潜在的に「痛み」や「死」への不安を感じる場所です。それが**「隔離病棟」の「廃墟」となれば、その恐怖は極限まで増幅されます。「霊安室」「手術台」「車椅子」**といった、具体的な医療の記憶は、訪れる者の身体的な苦痛の記憶を呼び覚まします。その心理状態が、風の音を「患者のうめき声」と、建物の軋む音を「ナースコールの音」と誤認させる、強力な引き金となっているのです。

探索の注意点

現在の状況と物理的な危険性

• 【警告】極めて危険な状態の廃墟: 建物は閉院から20年以上が経過し、不審火や破壊行為により、著しく老朽化・破損が進んでいます。いつ床が抜け、天井や壁が崩落してもおかしくない、極めて危険な状態です。
• 私有地・立入絶対禁止: 跡地は現在も私有地（財務省関東財務局甲府財務事務所の管理地）であり、関係者以外の立ち入りは固く禁じられています。
• 厳重な警備体制: 敷地内には**「立入禁止」の警告看板**が多数設置され、**警備システム（防犯警報機）**も導入されています。不法侵入は即座に通報されます。
• 不法侵入は重大な犯罪: いかなる理由があっても、敷地内に無断で立ち入ることは、刑法の建造物侵入罪にあたる犯罪行為です。

訪問時の心構えと絶対的なルール

• 絶対に不法侵入しない: 興味本位で立ち入ることは、犯罪であるだけでなく、崩落事故などに巻き込まれる可能性のある、命を危険に晒す行為です。絶対にやめてください。
• ネットの古い情報を鵜呑みにしない: 内部を探索しているような古い情報や動画は、過去の不法行為の記録です。現在では状況がさらに悪化している可能性が高く、決して真似をしないでください。
• 故人への敬意: この場所で、実際に病と闘い、亡くなった数多くの方々がおられます。不謹慎な言動は厳に慎んでください。
• 近隣住民への配慮: 付近には民家もあります。深夜にうろついたり、大声で話したりする行為は、多大な迷惑となります。

まとめ

西甲府病院は、かつて多くの命と向き合い続けた聖域が、時代の流れと共に、人々の恐怖を映し出す鏡へと姿を変えた場所です。その荒廃した姿は、我々に、命の尊厳と、歴史への敬意を、静かに問いかけているのかもしれません。

このスポットの近くにある、もう一つの恐怖

• すずらん池（すずらんいけ） 西甲府病院のある甲府市のお隣、北杜市に存在する、もう一つの有名な心霊スポット。こちらは、入水自殺した老婆の怨念が渦巻き、夜な夜な、湖面から“呪いの手”が伸びてきて、生きている人間を水底へと引きずり込むと噂されています。
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